中央区には、歴史的建造物が建ち並ぶまちなみや古くから受け継がれてきたみなとまち新潟の風情が今もなお残っています。区では、それらを活かしながらまちづくりを進めています。今号では、商業や工業を営むための職住併用住宅「町屋」を活用した施設を運営し、歴史や町屋の魅力を受け継ぎ発信する皆さんの取り組みや思いを取り上げます。
■旧活版所をギャラリーやコーヒー豆販売店に
マイクさんは、旧吉野活版所の建物でコーヒー豆販売店、吉野活版所についてのギャラリー、英会話教室、リソグラフ印刷スタジオなどを運営しています。旧吉野活版所は大正5年に建てられ101年間印刷所として使われてきました。4年前に空き家となりマイクさんが買い取ったといいます。
▽当時の様子をそのままに
建物に入るとギャラリースペースが広がります。「明るい空間にしようと、壁一面にかつて活版所で印刷されたフライヤーを展示しています」と話すマイクさん。一般公開をしていないギャラリーの奥は、印刷機が置かれていた部屋や居住用として使われていた和室などがあり、3階には市内で初めて設置されたというエレベーターも残されています。
▽ギャラリーを気軽に見に来て
マイクさんは建物と今後について「100年以上前に設計された建物が変わらずあるのはすごいことです。建物の維持は想像以上に大変ですが、今後も残していきたいです。ギャラリーは無料で見学できるので、たくさんの人に気軽に見に来ていただいて、地域の活性化にもつながればと思います」と話していました。
営業時間:午前10時~午後5時
所在地:古町通10
ホームページ:右の二次元コード
※二次元コードは本紙をご覧ください。
■多様な顔を持つ複合施設に
建築家の近藤潤さんは、本町通の町屋を複合文化施設にしようと改修を進めています。施設名は「文化座本町Sono」。カフェやダンスとピラティススタジオ、コワーキングスペース、宿泊施設・観光案内などとしての利用に向けて、8月からリノベーションを行っています。
▽町屋の魅力を共有したい
建物は母屋、別棟、蔵の3棟に分かれていて、母屋の一部と蔵は明治時代に建てられたといいます。客間には電気が普及する前に使われていたガス灯が今も残っています。
近藤さんは「この建物の特徴は3棟をつなぐ2つの庭で、それぞれの建物・施設が庭を介してつながる場所をテーマに掲げています。そして、これまで一般の方が入れなかった場所とその魅力を共有したいという思いで改装を進めています」と話していました。
▽歴史文化を残して
「この施設をしもまちの文化的な拠点としていきたいです。また、町屋などは地域の歴史や生活を感じられるとても価値があるものだと考えています。しもまち地域には古い建物が多く残っていますが、そういった価値を大切にしてこのまちなみを残そうと考えてくれる人が増えると嬉しいです」と思いを語ってくれました。
近藤さんが関わるしもまち地域のイベントを2面で紹介しています。
所在地:本町通12
Instagram:文化座本町Sono(@sono_niigata)
■空き家の情報はこちら
市と連携協定を締結している不動産関係団体が、空き家などを含む不動産情報を検索サイトに掲載しています。空き家を探している人はぜひ確認してください。
・ハトマークサイト新潟(新潟県宅地建物取引業協会)
・ラビ-ネット不動産(全日本不動産協会新潟県本部)
※詳しくは本紙をご覧ください。
今後、その他の町屋などの活用の取り組みを不定期連載で取り上げます。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>