アサオ歯科医院の麻生隆大先生に伺いました
●はじめに
「むし歯や歯周病にならないように日々歯磨きを頑張っていますか」…とはいえ、自分で頑張るのも限界があると思います。つい歯磨きをしなかったり、毎日歯磨きをしていても決まった場所がいつも磨き残しになったりして、歯石が付いてしまうことは、多くの人が経験していると思います。
むし歯や歯周病の大きな原因のひとつに歯石があります。では、歯石とはどのようなものを言うのでしょうか。
●食べかす・プラーク(歯垢(しこう))・歯石(しせき)
・食べかす…口の中に残った食べたものの細かいカケラ。むし歯菌のエサになる。
・プラーク(歯垢)…白色または黄白色をした粘り気のある物質(むし歯菌や菌が出す代謝物のかたまり)。食べかすが歯の表面に残り続けると、それを栄養源に菌が繁殖する。
・歯石…プラークが長期間歯の表面に付き、唾液に含まれるカルシウムやリン酸と結合して、石のように硬くなったもの。
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放置すると…むし歯・歯周病
●マスク生活での落とし穴
コロナ禍でのマスク生活において、むし歯や歯周病が増加しているという報告があります。マスクをしていることで多少歯磨きをさぼっても口臭は気にならないだろう、と思ったことはありませんか。また、マスクをしていると暑かったり、階段などで息が上がったりして息苦しくなり、口呼吸になっていませんか。
歯磨きをさぼったり口呼吸が原因で、むし歯や歯周病が増加しています。
●口呼吸とむし歯・歯周病の関係
○口呼吸のセルフチェック
・気が付くといつも口が開いている
・鼻が詰まりやすい
・口が乾きやすい
・イビキをかきやすい
・口を閉じると苦しく感じる
・風邪をひきやすい
・朝起きた時、喉がカラカラになる
・口臭が気になる
口呼吸だと…
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○前歯のむし歯が増える
口呼吸の場合、いつも口が開いているため前歯が乾燥しています。歯は、唾液から供給されるミネラルで初期のむし歯を直すため、乾燥しているとむし歯になりやすくなります。
○歯茎が腫れて歯周病になる
口の中は細菌が多い場所です。歯茎は粘膜のため、常に唾液の殺菌作用で洗い流されています。口呼吸で歯茎が乾燥すると腫れて赤くなり、歯周病になりやすくなります。
※CHECK
新潟県では、子どものむし歯は減る一方、高校生になると歯肉炎の罹患率が一気に上がります。次のデータは新潟市の「12歳児の歯科健診結果(令和3年度)」です。
●定期健診とクリーニング
付いてしまった歯石は、歯科医院でとることが大切です。歯科医院ではむし歯の治療だけでなく歯科健診や口のクリーニングも行います。ちなみに、歯石をきれいにとったり、歯磨きの仕方を教えてくれたりするのが歯科衛生士。むし歯で穴になった場所の詰めものやかぶせものを作るのが歯科技工士です。
歯科医院で定期健診や口のクリーニングをしっかりやることで、歯石の除去はもちろん、むし歯や歯周病の早期発見や予防に繋がります。もう何年も歯科医院に行っていない人、口のクリーニングやチェックをしていない人は病気が進行してしまう前に、歯科医院に行ってみましょう!40歳・50歳の人には成人歯科健診受診券(ハガキ)を送付しています。
※「にしかんみんなのお口ケア」で口を元気に!
パンフレットを区役所などで配布しています
問い合わせ:健康福祉課健康増進係
【電話】0256-72-8380
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