■令和5年度西蒲区男女共同参画地域推進員企画事業 考えよう男女共同参画の防災~災害リスクを軽減するために~
◆高齢者世帯編
男女平等の視点を交えながら、防災に関する対談を行いました。今号と3月17日号に、対談の内容を掲載します。
皆さんの身の回りに、自力で避難が困難な人や、一人暮らしの高齢者はいらっしゃいますか。災害はいつ起こるか分かりません。いざというときに、自分の家族や地域の人たちが無事に避難できるように、日頃からどんなことに気を付けたら良いのでしょうか。この事業を企画した西蒲区男女共同参画推進員と、本事業のアドバイザーである指田さんが、防災士の青柳さんと、中之口・潟東圏域支え合いのしくみづくり推進員の谷原さんから聞いた内容を紹介します。
講師:
・防災士 青柳 麻紀さん
学校、自治会、企業の防災講座・講演・訓練などの講師しています。誰でも気軽に防災を意識するきっかけ作りの場として、イベントで各種体験会を行っています。
・中之口・潟東圏域支え合いのしくみづくり推進員 谷原 寛子さん
住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために、地域での支え合いが大切になってきます。地域での支え合い活動を進めるために、皆さんと一緒に考えていきます。
西蒲区男女共同参画推進員:小島 貴子さん、廣川 吉浩さん、堀井 正さん
本事業のアドバイザー:指田 祐美さん
◇分かっているではなく、常に気にかけてみよう
・堀井さん(推進員)
私の地域では、自力で避難が困難な人がどこに住んでいて、避難する際に誰が助けに行くか決めていますが、災害が起きたときに全員が家にいるわけではありません。いざというときのために、どんな人がどこに住んでいるかを地域で共有するのは難しいのでしょうか。
・谷原さん(講師)
地域の人と話すと「この地域のことはみんな分かっているから大丈夫」と言われるのですが、その「分かっている」という感覚が人によって違ったりします。地域の中で、どこにどんな人が住んでいるか程度の情報でも分かるようにしていけると良いのですが、常に更新していかなければならないので、なかなか手間がかかる…という声もあります。
・青柳さん(講師)
手間はかかっても、その手間がいざというとき自分や周りを助けてくれるので、リストなど何かしらの形で分かるようにすることは重要です。大雪も災害の一種ですから、災害は意外と身近です。
・廣川さん(推進員)
一人暮らしの高齢者が多い地域では、いざ災害があったとき、その人を迎えに行って一緒に逃げる体制を作らないといけないですね。
・谷原さん(講師)
例えば、カーテンの開き方がいつもと違う、花の水やりをしていない、車の停め方が違うなど、近くに住んでいる人にしか分からないこともたくさんあります。普段からほんの少し、周りのことを気にかけて、気づいたことを地域の人と共有できるような仕組みができると良いですね。
・小島さん(推進員)
近年は地域が都会化していると思います。気づいたら近所の家が空き家になっていたり、売り家になっていたり。そういう意味で、コミュニティが成立していないと感じることがあります。
・青柳さん(講師)
私が学校の授業などでお話しするときは、「近所の人たちと声掛けしていこうね」、「何かあったときは老若男女問わず力になろうね」ということを伝えています。がっつり仲良く近所付き合いしなくても、普段道端で顔を合わせているとか、そういうレベルで良いから気にかけてほしいです。
◇先入観を捨てて、勇気を出してアクションを
・指田さん(アドバイザー)
地域に出にくい一人暮らしの人との接し方などで男女の違いはありますか。
・青柳さん(講師)
以前、一人暮らしの高齢男性で「自分のことはほっといてくれ」とおっしゃる人がいました。周りの人は「あの人は付き合いにくい」というイメージを抱いていました。
私はその男性と対話を重ねていくうちに「ほっといてくれ」の言葉の先を知りました。「俺はどうせ一人だ」。孤独からくる強がりでした。
男性は女性に比べ、対人関係が薄く外出志向が低い傾向にあります。一家の大黒柱だった男性は「強い存在でいなければ」との意思が強く、本音を吐き出せず抱え込み、うまく周りに頼れなかったりするのかなと感じます。第一印象や周りの言葉で先入観を持たず、相手と接してほしいなと思います。距離感の図り方は難しいのですが、「親切の押し売り」をしないように心掛けています。災害時、どうしたら良いのか分からず不安になります。そんなときは、会話をしたことがない人でも声をかけることで救える「気持ち」や「命」があると思います。
問い合わせ:地域総務課企画・地域振興グループ
【電話】0256-72-8143
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