文字サイズ
自治体の皆さまへ

健康啓発シリーズ(45)体にとって脂質は悪者?

8/41

新潟県村上市

特定健診を受診した人で、脂質に対して悪い印象をお持ちの人が多くいるように感じます。「脂質」とは、「中性脂肪」「LDL(悪玉)コレステロール」「HDL(善玉)コレステロール」などを指します。
実際には、力を出す時に使われるエネルギーになったり、ホルモンや細胞膜の材料になったりと、人間の体にとって欠かすことのできない物質です。
しかし、脂質が必要量よりも多すぎたり、少なすぎたりすると、本来の働きを果たせなくなります。その状態を「脂質異常症」といいます。

■市の現状
下の表は令和3年度特定健診受診者(4388人)のLDLコレステロールと中性脂肪について、判定値ごとの未治療割合を示したものです。(表1・2)
受診勧奨判定値(受診が望ましい値)であった人のうち、LDLコレステロールは9割の人が、中性脂肪は7割以上の人が未治療となっていました。さらに、より数値が高い人ほど、未治療の割合が増えています。

国保データベースシステムより

■村上総合病院の天野先生にお聞きしました!
新潟県厚生農業協同組合連合会村上総合病院初期臨床研修医 天野裕貴(あまのゆうき))先生

▽脂質異常症が及ぼす体への影響
高いLDLコレステロールは、動脈内にコレステロールが蓄積し、動脈壁にプラークを形成する可能性が高まります。これが動脈硬化の始まりであり、血管を詰まらせ血流を妨げるようになり、心臓病や脳卒中のリスクが増大します。また、中性脂肪の過剰な増加も問題であり、糖尿病や膵炎(すいえん)、脂肪肝といった疾患を引き起こす可能性がありま

▽す。健診・医療機関受診の勧め
このような健康リスクを早期に発見し、適切な対策を講じるために、医療機関の受診や健診を受ける必要があります。先述の特定健診において、高いLDLコレステロールや中性脂肪、低いHDLコレステロールの数値が見られる人が多いことが示されました。脂質異常症は症状がほとんど現れないため、潜在的なリスクを早期に発見し、適切な対策を講じることが重要です。これらの数値は食事療法や運動、必要に応じて薬物療法といった早期の介入によって改善可能であり、心血管疾患や肝臓疾患などのリスクを軽減し、健康な生活を維持することが期待できます。

問い合わせ:保健医療課健康支援室
【電話】53-3364

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU