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健康講座(231)

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新潟県関川村

■胃が痛むのは胃が悪いのか?
坂町病院 外科 富田広

「胃が痛む。胃を悪くしたようだ」あるいは「みぞおちが痛い」といった訴えで病院を受診される患者さんがよくおられます。
「みぞおち」つまりお腹の上の方には胃が存在し、そこが痛むとなると胃の異常と考えがちです。あるいは心理的に胃が悪いと考えたくなるのかもしれません。しかし、本当に胃の異常が原因で「みぞおち」が痛くなるのでしょうか?
もちろん胃炎や胃潰瘍、場合によっては胃癌のような胃の病気でみぞおちが痛くなることもあります。しかし、私の経験では、むしろ胃以外の部位の異常が原因で痛くなることの方がかなり多いように思います。
胃以外の原因としては(1)十二指腸潰瘍、場合によってはそれにより十二指腸に穴があいてしまった状態、(2)胆石症や胆管結石のような肝臓、胆嚢、胆管の病気、(3)急性膵炎、慢性膵炎、場合によっては膵臓癌のような膵臓の病気、(4)腸閉塞などの小腸の病気、(5)大腸炎、場合によっては大腸癌などの大腸の病気などさまざまです。なかには(6)急性虫垂炎(いわゆるモーチョー)の初期症状のこともありますし、(7)狭心症、心筋梗塞のような心臓の病気のこともあります。(8)大動脈瘤のような大動脈の病気のこともあります。(9)帯状疱疹が原因のこともあります。(10)精神的なことが原因ということもあります。一言に「胃の痛み」と言っても、いろいろな可能性が考えられます。
みぞおちが痛む原因をはっきりさせるにはやはり病院、医院などを受診していただく必要があるかと思います。原因は、診察するだけでわかることもありますし、超音波検査でわかることもあります。レントゲンでわかることもあります。CT検査を行ってようやくわかることもありますし、胃カメラ、大腸カメラなどでわかることもあります。なかにはいくら調べても原因がわからないということもあります。いろいろです。
もちろん治療もいろいろです。
もしみぞおちの痛みでお悩みの際は、早めに医療機関を受診されることをお勧めいたします。

*このコーナーへのお問い合わせは、県立坂町病院へ。

問合せ:【電話】62-3111

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