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令和6年度 新指定文化財

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令和6年4月1日に新指定となった千代田区指定文化財をご紹介します。

■絹本墨書(けんぽんぼくしょ)掛軸「日枝神社」山岡鉄舟筆
種別:有形文化財(書跡)
所在地:日比谷図書文化館
所有者:千代田区

江戸城無血開城に尽力し、書家としても名高い山岡鉄舟(やまおかてっしゅう)(1836年~1888年)の書軸。1885年~1886年ごろに書かれ、鉄舟晩年の筆として、その本領が発揮された作品です。麹町五丁目町会に伝来し、日枝神社の山王祭の折に御神酒所(おみきしょ)用の掛軸として代々使用されてきました。

詳しくは6月5日号で紹介します!

◇ポイント!
掛軸は主に美術鑑賞用として利用されることが多い中、祭礼用具として使われてきたものは珍しく、麹町地域と鉄舟のつながりを示す資料としても重要です。

■今川小路共同建築関係文書(追加指定)
種別:有形文化財(古文書)
所在地:日比谷図書文化館
所有者:千代田区

令和元年度に指定文化財に指定した今川小路共同建築文書に2点追加で指定するものです。

▽地上権設定契約書
1926年11月に、土地所有者と地上権(※)者である復興建築助成(株)との間で締結した地上権設定をめぐる契約書。地上権に関する契約書はすでに指定文化財に指定された文書群に含まれておらず、共同建築が完成するまでの経過をさらに詳しく知ることができます。
※他人の所有している土地を使う権利

▽共同建築物ニ対スル協定証書正本
1929年10月19日に、今川小路共同建築の共有部分の利用に関して、復興建築助成(株)と区分所有者8名の計9者で結んだ協定書。建物が存続している間の紛議抗争を避けるため、2階や3階の通路が各戸の専有部分の比率に応じて所有されることや、連名者全員の承諾なしに通行の妨げとなるものを設置できないことなどが記されています。

◇ポイント!
この文化財は、震災復興事業で建設された共同建築の実態を示す唯一の資料です。共同建築の建設過程を具体的に示しており、これまでに明らかになっていなかった居住者の建物利用の実態がわかります。今回の追加指定により、令和元年度指定文化財の資料的価値をより一層高めることができます。

◆今川小路共同建築
神田神保町三丁目にあった建物の名称で、通称九段下ビルと呼ばれていました。1923年の関東大震災からの復興のために建築され、狭小敷地での耐火建築を可能とし、鉄筋コンクリート造の導入など当時の最先端技術を集約して造られた耐震耐火構造建築でした。1927年に完成し、東京における共同住宅の最初期の事例として注目されました。1階には店舗が入り、2階は住宅部で和風の畳敷きの部屋もあり、3階は事務所などの貸し出しも見られました。その後老朽化により、2012年2月に惜しまれながら解体されました。

問合せ:日比谷図書文化館文化財事務室
【電話】03-3502-3348

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