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新春対談 2024 あけましておめでとうございます(3)

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東京都品川区

◇スポーツを通じて共生社会のあり方を提案
区長:昨年は天王洲公園でデフサッカー*4日本代表候補チームと区内の社会人チームが試合を行いましたが、こうした障がいの有無に関わらず混ざり合う試みもすごくよいなと思いました。
北澤:あの試合は日本代表チームの競技レベルを上げましたね。昨年9月に行われた世界選手権で、日本代表は2位という成績を残すことができました。
区長:トレーニングマッチとしても大成功だったわけですね。試合後には交流会もあって、デフサッカーの選手に子どもたちからたくさんの質問があがっていました。障がいの有無に関係なく、人と人が気軽につながれるのはスポーツの力でもありますね。
北澤:そうですね。娘が高校生の時に1年間アメリカへ留学したのですが、その時に初めて「サッカーやっていてよかった」と言ったんですよ。サッカーをやることで友だちができて、人間関係がすごく広がったみたいです。それまでは無理矢理やらされていたので大嫌いだったんですね(笑)。
区長:そうでしたか(笑)。アメリカは学業だけではなく、スポーツや芸術などで活躍していることが大学の入学条件になっていたりしますね。
北澤:そうですね。ほかにも、スポーツを通じた社会参加や社会貢献にも積極的ですね。最近は日本でも注目され始めていますが、アメリカではユニファイドチーム*5の大会が頻繁に行われています。知的障がいのある人とない人が半分ずつのチーム編成で試合をするのですが、非常によい取り組みだと思っています。
区長:スポーツが人と人をつなぐ、スポーツによって人と人が混ざり合うということですね。
北澤:はい。これからは障がいだけではなく、年齢、性別、国籍を超えて、さまざまな人が混ざり合うことができる。スポーツを通じてそうした発想や取り組みを提案していければ、社会全体の理解のスピードも変わっていくのかなと感じています。スポーツは、共生社会を実現する一つのきっかけになると思っています。
区長:「誰もが生きがいを感じ、自分らしく暮らしていける品川」をつくっていくため、スポーツの力が重要だと改めて実感しました。今日はありがとうございました。
北澤:ありがとうございました。
〈きゅりあん応接室にて〉

*4 デフサッカー
聴覚障がい者によるサッカー。2023年世界選手権出場前のデフサッカー日本代表候補チームが、区内で強化合宿・トレーニングマッチを行った。
*5 ユニファイドチーム
ユニファイドスポーツ(R)におけるチーム編成。知的障がいのある人(アスリート)と知的障がいのない人(パートナー)がチームメイトとなり、一緒にスポーツをする。スポーツを楽しむ機会が少なかった知的障がいのある人たちにスポーツを通じて社会参加を応援するスペシャルオリンピックス(SO)の取り組みとして注目されている。

●森澤 恭子(もりさわ きょうこ)
1978年神奈川県出身。慶應義塾大学法学部卒業後、日本テレビに入社。森ビル、ベンチャー企業数社を経て、2017年東京都議会議員選挙に初当選(2期)。2022年12月品川区長に就任。

●北澤 豪(きたざわ つよし)
1968年東京都出身。サッカー元日本代表。1991年から読売サッカークラブ(現・東京ヴェルディ)に所属しJリーグで活躍。また日本代表としても数々の国際試合に出場した。2002年引退。現在は日本サッカー協会参与、日本障がい者サッカー連盟会長などを務める一方、ジュニア向けサッカースクール「FOOT」を主宰。また国際協力機構(JICA)のオフィシャルサポーターとして開発途上国を訪問するほか、途上国支援、社会貢献活動に積極的に取り組んでいる。

■対談を終えて
サッカー元日本代表として、テレビなどでも明るいキャラクターでご活躍されている北澤さん。障がい者スポーツの普及やさまざまな地域貢献活動を行い、サッカーを通じ、障がいの有無に関わらず混ざり合う社会の実現に取り組んでおられる姿に感銘を受けました。今年はパリ2024大会、来年は東京2025デフリンピックも予定されています。スポーツを通してさらなる共生社会の実現を区としても推進していきます。本年もよろしくお願いいたします。(森澤恭子)

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