6年度予算案などを審議する2月定例議会が3月21日(木)までの会期で開かれています。
区長の発言要旨と6年度予算案の概要をお知らせします。
■区を取り巻く状況と区政運営の方針
まずは、1月1日に発生した令和6年能登半島地震により、被災された方々に心からお見舞いを申し上げるとともに、お亡くなりになられた方々やその御遺族には謹んでお悔やみを申し上げます。被災地の一日も早い復旧と復興を心からお祈り申し上げます。
本区では、文京梅まつりなどで事業協力関係にある能登町からの支援要請を受け、速やかに被災地への支援を行うため、1月4日から先遣隊として職員派遣を行い、支援物資の提供を行いました。今後も、被災地からの要請等に基づき、必要な支援を行ってまいります。
さて、コロナ禍以降、世の中は少子高齢化が進むとともに、デジタル化の進展や働き方の見直しなど、私たちの生活や社会における変化のスピードが激しくなっており、行政に求められる課題についても、これまで以上に複雑化・多様化してまいりました。
国は、昨年4月にこども家庭庁を創設するとともに、こども基本法を施行し、こども・子育て施策を社会全体で総合的かつ強力に推進していくこととしており、子どもを取り巻く環境整備が急速に進められています。
本区の将来人口推計においては、総人口は今後約15年間増加傾向であり、人口構成の面では、生産年齢人口は10年後まで、年少人口は20年後まで増加が続きますが、その後は減少に転じる一方、老年人口は増加が続くと見込んでおり、少子高齢化の進行は避けられない状況です。そのため、年少人口や生産年齢人口の増加に向けて、子育て支援施策の更なる充実に取り組むとともに、高齢者施策についても、これまで以上の取組が必要となります。
また、AI技術の進展は、これまでの常識を覆すようなものとなっています。とりわけ昨年大きな話題となった生成AIといわれる文章や画像の自動作成などの技術は、今後の区民生活や私たちの仕事のあり方等に大きな変化をもたらすものであり、このような最新技術を活用し、より豊かな暮らしにつなげていけるよう、区内外の様々な人々の経験や知恵を生かしていくことが必要と考えております。
現在の「文(ふみ)の京(みやこ)」総合戦略においては、この間に生じた新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、主要課題に新たに感染症対策を盛り込むなど、社会状況の変化を的確に捉えた見直しを行い、効率的かつ効果的な施策等を展開してまいりました。6年度からの4年間を計画期間とする、次期「文の京」総合戦略においても、社会状況の変化に対応しつつ、主要課題の着実な解決に向け、戦略的な事業展開を図ることで、次代を担う子どもたちの健やかな成長や、区民の健康で安心な暮らしを支える環境を整備し、活力に満ちた文京区を実現してまいります。
■6年度予算の概要
我が国の経済状況は、雇用・所得環境が改善する下で、緩やかな景気回復が続くことが期待される一方、海外景気の下振れが国内景気を下押しするリスクや、物価上昇の影響等に十分注意する必要があります。
区財政においては、特別区税収入の増加が続いているものの、ふるさと納税による税流出は拡大傾向にあり、また、老朽化等により、今後、多くの公共施設の改修・更新を計画的に行わなければならないことなどを踏まえると、決して楽観はできない状況にあります。
このような中、6年度の予算編成に当たっては、コロナ禍を経た新たな時代において、区民一人ひとりが輝く明るい未来に力強く踏み出すため、全ての世代を支える施策を積極的に展開するとともに、区民の利便性と行政サービスの向上を図るためのDXの推進や、バックキャスティングの考え方に基づき、各施策を推進する予算を編成いたしました。また、「文の京」総合戦略に掲げる主要課題等の解決に向けて、喫緊の課題に対応するための実効性の高い事業を重点施策として選定しております。
今後とも、限られた財源の中で、複雑化・多様化する行政課題に効率的かつ効果的に対応していくため、庁内の更なる連携強化を図るとともに、職員の柔軟な発想と創意工夫により仕事の質を高め、社会の変革に迅速に対応し、行政需要の変化を的確に捉えた区政運営を進めてまいります。
▼子どもたちに輝く未来をつなぐ
●区児童相談所の7年4月開設に向けた施設竣工と準備
●「(仮称)子どもの権利擁護に関する条例」の制定に向けた検討
●未就園児の定期的な預かりの実施
●不妊症看護認定看護師や臨床心理士等の専門職による妊活や不妊に関する個別相談
●ICT支援員や日本語指導員、バリアフリーパートナー等の各種人的配置の充実
●スクールソーシャルワーカーを全校配置するための体制構築
●不登校や登校しぶりの児童・生徒への支援体制を強化
●平和特派員事業の実施(区立中学校代表生徒の沖縄派遣による平和学習)
●部活動の地域連携・地域移行のあり方の検討
●区立小・中学校の学校給食の無償化の継続と、無償化の対象外となる国立、私立小・中学校等に通う児童・生徒の保護者への給食食材費相当額の給付
●「育成室待機児童解消加速化プラン」の推進(民間賃貸物件を活用した整備等)
●誠之小学校、明化小学校等、柳町小学校等の改築と、小日向台町小学校等、千駄木小学校等の設計等改築に向けた準備
●小・中学校の特別教室の改修
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