■伝統文化を後世に伝える。子どもたちの未来のために
Q:杉並こども歌舞伎塾の講座内容を教えて下さい。
A:計12回のお稽古の中で、七五調の美しい日本語や着物の着付け体験、挨拶から立ち居振る舞い、歌舞伎の歴史まで、日本文化のさまざまな面を学べる講座です。終了後には全員で歌舞伎を演じる発表会も行われます。昨年は「白浪五人男Q:稲瀬川勢揃いの場」を演じました。美しい日本語・所作を知らない人が多くなった昨今、大人になってからではなかなか身に付けることは難しいですが、子どもたちは1回でひゅっとやってしまう。日本の伝統文化を後世に伝えていくのも、私たち大人の役割だと思います。
Q:伝統文化に触れること以外のメリットはどんなものがありますか?
A:日本文化特有の立ち座りなどの所作は、実は体の深い部分に付いている筋肉であるインナーマッスルの強化にもつながる大事な動きなんですね。インナーマッスルが強化されれば姿勢も良くなるし、怪我もしにくくなる。姿勢が良くなることで目線が高くなれば相手の目を見て話すことにつながり、より良いコミュニケーションも取れるようになる。そういう一つ一つの所作・動作・正しい姿勢を身に付けることが成長していく子どもたちにとって大事なことだと思い取り組んでいます。
Q:杉並こども歌舞伎塾を経て感じた子どもたちの変化は?
A:始めはもじもじしていた子どもたちが、終わる頃には本気になり、本番が一番上手だったのが印象的でした。終了後のアンケートで「楽しかった」とか、「姿勢が良くなったと褒められた」「落ち着いたね、明るくなったねと友達に言われた」という声を聞くと、やって良かったな、私たちが伝えたいことを子どもたちも感じ取ってくれたんだなととても頼もしく感じました。前回は初めての講座ということもあり塾生が5人だったため、保護者の皆さんにも舞台に立っていただきましたが、お母さんが恥ずかしがっていると「ママ、ちゃんとやって!」と子どもから声がかかるんです。
親子で一つのことを真剣に取り組む。それが親子の触れ合いや家族団らんにもつながってくれたら嬉しいですね。
Q:塾生たちにどう成長していってもらいたいですか?
A:これまで関わってきたこども歌舞伎塾から実際に歌舞伎役者になった人たちも出ています。それも嬉しいことですが、もちろん歌舞伎以外の道に進んでもここで得たものは生きていく上で絶対に役に立つものだと思っているので、より多くの人に伝統文化の豊かさを感じ取ってもらえるよう私も精進を重ねていきます。
Q:杉並こども歌舞伎塾を今後、どのように発展させていきたいですか?
A:杉並こども歌舞伎塾はまだ始まったばかりですが、いつかは本物の大道具・小道具、衣裳、かつらを使って開催できるくらいまで一歩一歩進んでいけたらと思います。塾生の数も10人、20人と増えていけばもっといろいろな演目もでき、また違う和の表現もできるようになるので、まずは皆さんに知ってもらうことが大切だと思っています。
Q:最後に子どもたちへのメッセージをお願いします。
A:歌舞伎と聞くと敷居が高いもの、堅苦しいものと思われがちですが、本当は面白いし、見ても演じても楽しいものだということを知ってもらいたいです。少しでも興味を持ったら一度、来てみてください。やってみて楽しかったら「楽しかったよ! 一緒にやろうよ」って友達を誘って、だんだんと輪が広がっていったらいいですね。ご参加、お待ちしています。
■地域に愛される、こども歌舞伎!~杉並こども歌舞伎塾の参加者募集
歌舞伎を通して、立ち居振る舞いや礼儀作法を身に付け、七五調の美しい日本語や着物の着付け体験などで、日本文化を肌で感じましょう!
日時:10月12日~7年1月18日の土曜日、午後6時~8時30分(12月28日、7年1月4日、祝日を除く。計12回)
場所:西高校(宮前4-21-32)
講師:若和屋帆之亟
対象:区内在住・在学の小学3年生~高校生
定員:20名(申込順)
費用:6000円
申込み:杉並区スポーツ振興財団ホームページから、9月25日までに申し込み
問合せ:杉並区スポーツ振興財団
【電話】5305-6161
その他:浴衣着用。7年1月25日(土)に発表会あり。詳細は、同財団ホームページ参照
■YouTubeで配信中!「すぎなみビトMOVIE」
すぎなみビト「若和屋帆之亟さん」のインタビュー動画を、本紙掲載の二次元コードからご覧いただけます。
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