■ピロリ菌感染症とは
ピロリ菌に感染しているかたは、全世界の半数以上、日本では約3000万人いるとされています。
このピロリ菌は主に幼少期に経口的に感染する細菌で、胃粘膜に定着して慢性感染状態となり、生涯にわたり感染は持続します。
ピロリ菌感染による最も大きな問題は、「胃癌」との関連です。現在胃癌に罹患した大部分のかたにこの感染が見られています。また胃癌以外にも胃・十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫など上部消化器管の疾患に加え、免疫性血小板減少性紫斑病や鉄欠乏性貧血、他にもいくつかの病気との関連がわかっています。
ピロリ菌の診断法には幾つかありますが、血液検査によるスクリーニングである胃がんリスク検診(ABC検診)があり東村山市でも平成28年より実施されています。採血をすることでピロリ菌の感染の有無と胃炎の程度がわかる方法です。
この検査の結果、ピロリ菌感染が判明した場合は、胃内視鏡を行いピロリ菌感染胃炎の状態を確認の上、除菌治療(1週間の内服治療)を行います。除菌の成功率は90%以上とされ、この除菌を行うことで将来にわたり胃癌にかかるリスクを減らすことが期待出来るため日本では保険適用の上、広く実施されています。ただし除菌が成功した後も、定期的な胃の検査は必要とされています。
感染の検査をご希望のかたは、近くの消化器科又は内科へ御相談ください。
東村山市医師会
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