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自治体の皆さまへ

区長室(1)

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東京都江戸川区 クリエイティブ・コモンズ

■人口減少などによる「最大のリスク」に備え持続可能な江戸川区を構築していく
令和6年第3回江戸川区議会定例会が、9月19日から10月25日までの会期で開催されています。本会議冒頭に行われた斉藤区長の招集あいさつを紹介します

◇地震や台風による被害が日本各地で発生
はじめに、先月(8月)8日に宮崎県の日向灘を震源とするマグニチュード7・1の地震が発生しました。同日、この地震の発生に伴い、気象庁は次なる巨大地震への注意を呼びかける「南海トラフ地震臨時情報」を発表。令和元年に運用を開始してから初めてとなる発表を受けて、日本全体に緊張が走りました。その後、同月15日に注意の呼びかけは終了しましたが、多くの方がいつか起こるといわれている大地震に対し、不安を抱いたのではないでしょうか。

地震の発生を事前に予測することは、やはり難しいと思われますので、引き続き「いつ起きてもおかしくない」という考えの下、日頃からの備えを万全にしてまいります。

また同じく8月には、区において災害対策本部を設置し、7カ所の自主避難施設を開設した台風7号や、九州を横断し西日本をゆっくりと迷走、台風本体から離れた関東でも記録的大雨となった台風10号が、各地に甚大な被害をもたらしました。あらためて、被害に遭われた方々には、心よりお見舞いを申し上げます。

これからも台風の活動が活発な季節が続きますので、引き続き警戒をしてまいります。

◇地震による倒壊・火災被害を防ぐ
こうした災害は、いつ何時起こるか分かりません。いざ発災したときの被害を少しでも減らすためには、区民の皆さま一人ひとりが、自らの命を守る行動をとっていただくことが重要になってきます。

例えば地震が発生した際には、住宅の倒壊や火災の発生による被害が想定されます。建物について区は、公共施設の耐震化を平成22年度に完了させており、また区民の皆さまの協力により、住宅の耐震化率は98パーセントと、都内で一番の水準になっています。また、火災による被害を減らすため、初期消火率を向上させる取り組みとして、公共施設約220カ所の屋外に消火器の設置を進めています。

一方で、今年度の区民世論調査によりますと、「近所の消火器がある場所を知っている」方は45・7パーセントと半数に満たず、消火器の使い方についても、約3割の方が知らないという結果でした。

これらの認知度を向上させるため、既に区が設置している、約4800本の設置場所を防災マップで案内するとともに、広報誌でも定期的に取り上げるなど周知を強化しています。また、消防署や消防団にご協力いただき、いざというときに誰でも消火器が使える環境を整えてまいります。

加えて、昨年度から実施しております、感震ブレーカーの配布事業などを進め、地震による火災被害を減らす取り組みを進めてまいります。

◇水害に強いまちづくりいざというときは広域避難を
次に、陸域の約7割が満潮時の水位よりも低い本区において、水害への対策も重要です。区は長年にわたり治水事業を進めており、さらに近年では国や東京都、上流・中流を含む大河川の沿川自治体と協力して、流域治水の取り組みを進めています。流域治水とは、ダムの建設や雨水を貯める施設の整備、堤防の強化など、河川の流域ごとに各々の役割を果たすことで水害からまちを守る取り組みです。これらにより、昭和24年以降、区内では川の氾濫や堤防の決壊などの外水氾濫は起きていません。

一方で、水害ハザードマップが想定しているような、千年に一度の大規模水害が発生した場合には、2週間以上浸水が続く可能性があります。よって、水害が発生する恐れのある72時間前からいつでも避難できるように準備を始めて、区の外の浸水しない所へ広域避難をしていただくよう呼びかけています。ところが、先程も触れました区民世論調査によりますと、広域避難について「事前に広域避難できる」と回答した方は4分の1ほどであり、多くの方が「直前まで判断ができない」「避難できない」などと回答しています。

これからも、区における水害リスクを分かりやすくお伝えし、区民の皆さまへの意識の浸透を図るため、避難時の宿泊費用補助制度や水害ハザードマップの周知に力を入れるなど、大規模水害の発生が予想される際の、自主的な広域避難を推進してまいります。

また、区が果たすべき責務として、自ら避難することが困難で、特に支援が必要な方に対し、個別の避難計画の策定を促進するなどの取り組みも進めてまいります。

◇共生社会ビジョン実現へ取り組みを着実に推進
さて、これまでに述べた地震や水害への取り組みは、「想定される最大のリスクに備える」という考えの下、対策を立てています。

これらの考えと同様に、2100年にかけて人口が減少し、区に入るお金も減っていくなど今後起こり得る「最大のリスク」に備えるため、そうした前提をお示しし、区民の皆さまと共に考えながら、令和4年にまとめた「共生社会ビジョン」の実現に向けた取り組みをしっかりと進めていく必要があります。

その一環として、広報えどがわ8月15日号では、今後人口減少により歳入が減り、また少子高齢化により社会保障費が増えるなどの影響から、現在の行政サービスと区民負担のバランスを保つことが難しくなることを紹介しました。その上で、将来に向けてサービスの水準や皆さんの負担をどうすべきか、またいつ行動すべきなのか検討した区の考えをお示ししています。

こちらの内容は広報誌と併せて、区のホームページやSNSでも周知しており、区民の皆さまから広く意見を募集いたしました。

ここで、区民の皆さまから頂いた意見をいくつかご紹介いたします。

「公共施設の集約、利用料改定により少しでもかかっているコストを回収すべき」。一方、「公共施設は、住民の福祉を増進する目的をもって利用するためのものであるため、現在の水準の継続を」といった意見。

「健(検)診の一部自己負担化により受診控えが起き、社会保障費の増加が懸念されるのではないか」。一方、「健(検)診の一部自己負担化は必要だと思う。併せて区が実際に健(検)診費用をどれくらい負担しているかも明記し、受診率の向上につなげては」といった意見。

「今回の情報発信や意見募集は、いい取り組みだと思った」

「今から少しずつ調整していかないと、私たちの子ども世代が困ってしまう」

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

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