長きにわたって発展してきた江戸川区。将来に向けても、安心して自分らしく暮らせるまちであってほしい―
しかし、2100年にかけて区の人口や区に入るお金などが減ることが予測され、公共施設も老朽化し、これまで築いてきた住みよいまちが継続できなくなってしまうかもしれません。
そこで区は、2022年(令和4年)に『2100年の江戸川区(共生社会ビジョン)』を策定し、未来に向けた取り組みを進めてきました。そして今年は、具体的な行動を始める“スタートの年”。本特集では、区が考える今後の方向性についてご紹介します。区民の皆さんのご意見をお寄せください。
■2100年に向けた予測は?(区の人口・お金・公共施設)
○将来の区の人口
区の人口は、今後緩やかに減り続け、2100年には現在の人口の半分にまで減っていくと推計されています。
○将来の区に入るお金(歳入)
区民の皆さんの暮らしを支えるためのお金が減り、これまで行ってきた行政サービスができなくなる恐れがあります。
○築年数別の公共施設数
老朽化する建物をそのまま建て替えていくと、2100年には約8300億円の借金を抱える推計となっています。
(1)現在の行政サービスの水準と区民の皆さんの負担
区の役割は、歳入(区に入るお金)と歳出(行政サービスに使うお金)のバランスを取りながら、区政を運営していくことです。
近年は、区民税や交付金の着実な伸びによって歳入が多くなり、現在の江戸川区は、区民の皆さんの負担を抑えながら、充実した行政サービスを提供しています。しかし、人口減少に伴い区に入るお金が減ると、現在の体制を維持することが難しくなっていきます。
人口減少で区に入るお金→減少
少子高齢化で社会保障費→増加
◎2100年も持続可能な江戸川区にするにはどうしたらいい?
(2)2100年に向けた江戸川区の考え
区は、これからも持続可能な行政サービスを提供していくため、現在の行政サービスの水準を見直し、区民の皆さんに適正な負担をお願いする取り組みを進めていきたいと考えています。
1.人口・財政規模が縮小するが行政サービスの水準を維持するとサービス水準を維持するために区民の皆さんの負担を大幅に増やす
2.人口・財政規模が縮小するので行政サービスの水準を一部見直し、区民の皆さんの負担を一部増やす
3.人口・財政規模が縮小するので行政サービスの水準を大幅に見直し、区民の皆さんの負担を維持する
→江戸川区の考えは「2.人口・財政規模が縮小するので行政サービスの水準を一部見直し、区民の皆さんの負担を一部増やす」です。
(3)いつ行動に移すべきか
では、行政サービスを持続可能なものにしていくために、いつからその水準や区民の皆さんの負担を見直していくのがよいのでしょうか。区は、人口や区のお金が減っていくことや施設の老朽化が進むことなど、「将来に見込まれるリスク」が顕在化する前に、今から必要な対応をしていき、現在の住みよい江戸川区を将来に残していきたいと考えています。
[急激な変化]
・将来、財源不足が明白になった時点で、見直しをしていくと急激な変化に
・財源不足に陥り大幅な見直しが必要となる
[緩やかな変化]
・将来を見据えて今から仕組みを変え、想定されるリスクに備えると緩やかな変化に
・リスクへの備えを毎年少しずつ行い計画的な見直しへ
→江戸川区の考えは「緩やかな変化」です。
(4)3つの取り組み方針
これらを踏まえ、以下の3つの方針を基に、区の事務事業や公共施設の在り方について、2100年に向けた取り組みを検討しています。
1.人口減少に伴う最大のリスクに備える
2.人口減少を和らげる
3.経済成長を支える人材の育成(教育)
◎現代に生きる世代の責任を果たし、夢と希望を込めたタスキを将来世代にしっかりとつないでいきます。
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