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豊島区長
高際みゆき
パパとママがともに育児を頑張る中で、妊娠期のサポートや子育てに悩むパパも増えています。支援の必要性が高まっていることから、今年度より「男性の育児支援プロジェクト」を始めました。パパの声を聴き、パパの目線から必要な支援を考えていきます。パパもママも抱え込まずに子育てしやすいまちを目指します。
■パパも頼っていいんだよ
男性の育児
”推進”から”支援”へ
みんなが育児に仕事に一生懸命な今。男性も産後うつなどのリスクがあることを知っていますか?
育児休業制度の充実などによる男性の育児が推進される一方で、女性はもちろん男性も育児期にまつわる不調リスクが高まっています。
男性の育児を“推進”から“支援”へ。
区では妊娠期から男性の育児を支援するための事業を検討・実施していきます。
○産後うつとは
産後1年以内の育児期間中に、育児を1つの要因としてメンタルヘルス不調を起こした状態をいいます。
○男性の育児休業取得率
(令和4年度厚生労働省雇用均等基本調査)
17.1%
10年前の1.89%(平成24年度同調査)と比べて大幅に上昇し、育児に積極的に携わる男性が増加しています。一方で、共働きの子育て世帯の増加をはじめ、就労形態や生活スタイルの多様化により、子育てに孤立感や不安感を抱えている方も増えています。
○父親の9人に1人は「産後に不調」
国立成育医療研究センターによると、産後にメンタルヘルス不調のリスクが高い状態にある父親は全体の11%で、母親と同程度存在するとされています。夫婦が同時期に産後うつ状態と診断される世帯も全体の3.4%程度あり、女性はもちろん男性への積極的な育児支援が求められています。
■教えて、産後うつのこと
(一社)Daddy Support協会
代表理事(産婦人科医・産業医) 平野 翔大さん
――なぜ男性の支援が必要と感じたのですか
産業医として、育児をきっかけにメンタルの不調を起こす父親を多く診るようになりました。まず、なにも知識を得ず妊娠期を過ごしている男性が多く、突然父親になり「仕事も育児も頑張らないと」と自分を追い込んでいってしまう。そもそも、妊娠期の知識を男性が学ぶ機会が少ない、その環境が問題だと気づきました。
――産後にメンタルヘルス不調にならないために、対処法はありますか
自分たちだけですべて解決しようと気負わないことです。子どもが生まれたら日々色々なことが起きます。夫婦で冷静に話もできません。妊娠中から「困ったときに頼る先」を話し合っておきましょう。友達や親、職場や関係機関でも「しんどい、なんとかしてほしい」と言える先を持っておくことがとにかく大切です。
――どんな症状があったら受診を考えた方がいいですか?
眠れないとか仕事でミスが多くなったなど一般的な症状が実はメンタル不調の始まり。「赤ちゃんに手を上げそうになる、口をふさぎそうになる」「かわいいと思えない」「泣いていても無感情になってしまう」。こんな症状が表れたら受診を考えてください。
――パートナーが産後うつに…気をつけることはありますか?
夫婦の片方がうつ状態になると、負担が偏(かたよ)り、夫婦とも崩れてしまうリスクが高くなります。私が支えなければと自分だけで抱え込まず、すぐに誰かに支援を求めてください。
――育児中の皆さんへ一言
自分を大事にして、周りを巻き込みながら育児をしてくださいね。子どものため、パートナーのためという気持ちももちろん大事ですが、1人でリフレッシュできる時間を少しでもいいので取ってください。リフレッシュして冷静になると自分を見つめ直し、危ない状況にも気づけますよ。誰もがうまくいかなくて当たり前ですから。
Profile
医学部卒業後、初期研修・産婦人科専門研修を経て、現在は産業医として大企業統括産業医からベンチャー企業の産業保健体制立ち上げまで担う。複数のヘルスケアベンチャーにも参画し、プロダクトマネージャーやアドバイザーとして関与。「男性育児」「メンタルヘルス」などについて、執筆・編集活動も行う。Daddy Support協会の代表を担い、構成員に産後うつ経験者の当事者を配するなど、医学と育児当事者双方の知見から事業を実施している。
○平野さんによるセミナーを実施します
3月19日(火) 午後1時~1時50分 区役所本庁舎1階としまセンタースクエア
妊娠期からの男性育児を支援する事業のスタートとして、区内の男性の育児環境に関するアンケート調査を2月に実施しました。平野さんがアンケート調査の結果を踏まえた、妊娠期からの男性の育児支援の必要性についてお話しします。お子様も同席可能です。セミナー内容は後日オンラインで配信予定です。参加方法などの詳細は区ホームページ参照か問い合わせてください。
○父子手帳を作成しました
妊娠期から出産・育児知識および支援情報をパパに届けるために、Daddy Support協会では父子手帳を作成しました。
問合せ:子育て支援課庶務・事業グループ【電話】03-4566-2478
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