◆ゆかりの地(六)
格式高い歴代将軍の御膳所(ごぜんしょ)
國土安穏寺(こくどあんのんじ)
(応永17〈1410〉年創建)島根4丁目4番1号
國土安穏寺は、将軍が鷹狩などでこの周辺を訪れた際の食事や休憩をとる場所(御膳所)となっており、2代将軍・秀忠(ひでただ)の時代から将軍が頻繁に訪れていました。8代将軍・吉宗(よしむね)が来訪した際には、目付衆・上級幕臣をはじめ警護の侍も配置されたほか、地元島根村(現在の足立区島根等)の人々も接待のため動員され、総勢100人程が御膳所を運営しました。言い伝えも豊富で、3代将軍・家光(いえみつ)が訪れた際に焼き豆腐を献上したことや、9代将軍・家重(いえしげ)がお世継ぎ時代に食事をしたことなどが今に伝わっています。
ナビゲーターあだち観光将軍:
「家光(いえみつ)に献上されたのは、青菜が入ったお吸い物に焼き豆腐を浮かせたシンプルな料理でした。家光(いえみつ)はこれを大変気に入り、江戸城では珍味の1つとして数えられるようになったそうです。」
◆ゆかりの地(七)
光圀(みつくに)の目を治した薬師如来が伝わる
薬師寺(やくしじ)
(寺の創建は慶長9〈1604〉年説と寛永9〈1632〉年説がある)綾瀬1丁目14番20号
徳川光圀(とくがわみつくに)がこの寺院の「薬師如来」に祈願すると目の痛みが取れたという逸話が伝えられています。元々は「不動院」という名称でしたが、この出来事をきっかけに薬師如来にちなんだ「薬師寺」と改名するように光圀(みつくに)が進言し、現在に至るといわれています。
◆ゆかりの地(八)
将軍の休憩所や仮御殿(かりごてん)として大活躍
勝專寺(しょうせんじ)
(文応元〈1260〉年創建)千住2丁目11番
勝專寺本堂には「木造千手観音立像(もくぞうせんじゅかんのんりゅうぞう)」(非公開)(足立区登録文化財)がまつられている
慶安2(1649)年、4代将軍・家綱(いえつな)がまだお世継ぎだったころ、将軍家の重要な儀式である日光東照宮参詣(さんけい)の大役を担いました。このとき、勝專寺とその西側一帯を含む広大な敷地に中継地点として御殿(ごてん)が建設され、勝專寺はその管理者となりました。家綱(いえつな)の側近たちも随行し、幕府高官や江戸に残る諸大名と往復する使者が行き来したそうです。また、御殿は臨時の儀式の舞台にもなり、関東地方の長官・伊奈忠治(いなただはる)が舞を献じたことが、徳川(とくがわ)家の史書「徳川実紀(とくがわじっき)」にも記載されています。
ナビゲーターあだち観光将軍:
「鎌倉時代後期、隅田川から引き上げられて勝專寺にまつられたこの千手観音が「千住」という地名の由来になったという説があります。諸説ある千住の地名の由来の中で、文献に裏付けられているのがこの説なので最有力です!」
◆ゆかりの地(九)
アノ有名な「槍掛けの松」があった
清亮寺(せいりょうじ)
(元和5〈1619〉年創建)日ノ出町42の1
徳川光圀(とくがわみつくに)が槍を立てかけたことから名が付いたと言い伝えられている「槍掛けの松」があった寺院です。山門にかかっている「久榮山(きゅうえいざん)」と書かれた山号額は足立区登録文化財となっています。
ナビゲーターあだち観光将軍:
「かつて山門のすぐそばにあった実際の「槍掛けの松」です。水戸街道に覆いかぶさるように幹が伸びていました。樹齢約350年を数えた立派な名松は、惜しくも昭和20(1945)年ごろに枯れてしまいました。」
■〔特別企画〕バスツアー・街歩きを開催
各企画のおすすめポイントは本紙8面でご紹介しています!
(1)郷土博物館学芸員の解説付き「1日バスツアー」
日程:12月15日(金)・23日(土)
内容:本特集(二)(三)(四)(五)(六)の寺院などをバスで巡る(昼食付き)
定員:各20人(11月11日、午前9時から先着順)※1組4人まで
費用:4,000円
申込方法:電話/代表者の住所・氏名(フリガナ)・電話番号・ファクス番号、参加希望日、参加希望人数、「1日バスツアー」を記入しファクス
申込先:オリオンズ観光株式会社(毎日、午前9時から午後5時)
【電話】03-3884-5800【FAX】03-3884-5774
(2)NPO法人千住文化普及会の解説付き「千住街歩き」
日程:12月10日(日)
内容:徳川(とくがわ)家ゆかりの地を歩いて巡る
定員:40人(抽選)
申込方法:電話/住所、氏名(フリガナ)、電話番号、「千住街歩き」を記入しファクス
申込期間:11月11日(土)から15日(水)
申込先:NPO法人千住文化普及会
【電話】03-3888-2343【FAX】03-3888-2343
問い合わせ先:一般財団法人足立区観光交流協会
【電話】03-3880-5853
◆ゆかりの地を訪れるときの注意事項
すべて私有地です。ルールを守ってください!
・紹介した寺院の駐車場は利用できません。公共交通機関をご利用ください。
・御朱印などは、寺院の状況(法事など)により対応できない場合があります。
・紹介した寺院のトイレは利用できません。
・おおむね午前9時から午後3時に訪れてください。
・そのほか、各寺院のきまりを守ってください。
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問い合わせ先:(足立区)郷土博物館
【電話】03-3620-9393
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