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自治体の皆さまへ

知ってる? 千住の空き家・古民家利活用(2)

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東京都足立区 クリエイティブ・コモンズ

■多様な芸術のコラボレーション
BUoY(ブイ)
千住仲町49-11

2階は元ボウリング場、地下は元銭湯という歴史を持つ物件を改装して活用。展示や演劇、ダンスなどの公演を開催できる場所に姿を変え、社会的にメッセージ性のある先鋭的なアートを多く紹介している

芸術監督:岸本佳子(きしもとかこ)さん
○空間自体が芸術作品
知人の紹介で、この物件に出会いました。埃(ほこり)が溜(た)まった廃墟のような状態から、様々な方の協力を得て約1年でオープンさせました。地下は元銭湯の浴槽やシャワーをそのまま残し、2階は元々のコンクリート打ちっぱなしの空間に木の温(ぬく)もりを組み合わせたデザインです。以前の姿や廃墟のようだったころのおもかげを残したまま運営しているのがBUoYのおもしろいところ。あえてきれいに整えすぎず、空間の歴史を剝(む)き出しにして個性を活(い)かしています。
○社会的なメッセージを
BUoYでは、多様性やコロナ禍の世間に対してなど、社会的に明確なメッセージがあるプログラムを多く扱っています。そういったものを積極的に扱うことで、この空間自体にメッセージ性が出ると思います。また、今の世の中においては雑多な人たちが集まってそういった自己表現ができる場があるということ自体が重要だと考えています。空間のおもしろさ+(プラス)メッセージ性のあるプログラムのマッチングがBUoYの魅力です。
○千住の雰囲気を活かして
この活動は「足立区以外ならできなかったかも」と思います。日本は海外と比べて、社会的な問題提起に対する許容度が高くないと感じています。そんな中、区がBUoYを歓迎し、区長も来てくださったのは予想外でした。また、いろいろなものを許容してくれる、都心にはない独特の雰囲気も、千住でやってきてよかったと思う点の1つです。今後は、千住の魅力を活かして新しいことに順応しながら、もっと若い方にBUoYを運営してほしいと思っています。

■暮らしとまちを「つくる」場所
せんつく
千住寿町14の7
(千住宮元町26の13)

10年ほど空き家だった築85年の古民家を改装して活用。「つくる」をテーマに割烹(かっぽう)料理店など4店舗が集結し、ワークショップやイベントなどを開催。駅から離れた地域住民の交流の場となっている

建築家「せんつく」管理人:青木公隆(あおききみたか)さん
○古民家の雰囲気をそのまま
空き家利活用の取り組みの最中、「実家が空き家になっているので活用してほしい」と相談を受けたことが「せんつく」のはじまりです。地域密着型の複合施設をめざし、物件の魅力をできる限り活かすという点にこだわって改装しました。古民家の雰囲気に、昭和世代からは「懐かしい」と、もっと若い世代からは「新鮮」という声が届きます。
○「せんつく2」をオープン
一昨年の12月、足立成和信用金庫の「千住まちづくりファンド」(千住地域の空き家増加などの課題解決に向け、創業者への資金支援などを通して利活用促進を図る事業)の事案第1号として、「学ぶ」をテーマに「せんつく2」をオープンしました。築70年以上の物件ですが「新耐震基準」を満たすほか、金銭的な支援を受けて大きく改築している、より「安全性」に着目した事例です。古き良きものを残し交流の場を築くことが地域にとって重要であるのと同時に、安全性も忘れてはいけない要素の1つです。
○目標は「せんつくを10個」
昨今、駅から離れた地域では、商店の著しい減少やそれに伴う地域コミュニティの喪失、不動産価値の上昇によって若い世代の活躍の場が減ってしまうことが危惧されています。「せんつく」は、そういったまちから失われつつあるものに代わる存在にしたいと考えています。そのために、まずは千住地域にある郵便局と同じ数「10」を目標に「せんつく」を増やし、将来の千住地域を支える存在になっていってほしいと思います。

問い合わせ先:広報課
【電話】03-3880-5815

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