■ヒバリのさえずり
文化財保護指導員 荒井悦子
ヒバリはスズメ目ヒバリ科の体長17cmほどの大きさで、開けた草地で生活し繁殖します。さえずりは「揚雲雀(あげひばり)」という俳句の春の季語にもなっています。地面近くでもよく鳴きますが、高度を上げながら空中で留まりながら大きな声でさえずります。ゆっくり高度を上げながら鳴き続ける様子が万葉集にも登場します。空中で鳴き続けるのは繁殖期の縄張り宣言です。
古くから人々にとって身近な野鳥でしたが、高度経済成長期頃から宅地開発などにより平地の緑地は減少し、ヒバリの生息できる環境が激減しています。現在では東京都のレッドリストで絶滅危惧II類に指定されています。
市内には青梅駅から西側に丘陵地と河川とわずかな平地がありますが、平地には建物などがあり、ヒバリが生息できる環境がありません。青梅駅から東側には武蔵野台地が広がり、田んぼや草地が残っている藤橋地区の田んぼなど、限られた環境でヒバリを見ることができます。
問合せ:郷土博物館
【電話】23-6859
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