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なす風土記ものがたり vol.63

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栃木県大田原市

■上侍塚北古墳
大田原市には、古墳時代前期につくられた前方後方墳が3基あります。国指定史跡である上侍塚古墳、下侍塚古墳と、上侍塚北古墳です。
上侍塚北古墳は、上侍塚古墳の北約65mの、那珂川右岸の段丘東縁に沿って築造されました。
墳丘の断面部分を観察すると、周辺の地表面から1m以上高い位置に旧表土層が確認できると言われています。このことから、周溝を掘った土を積み上げて墳丘をつくったということが考えられます。
川原石を墳丘斜面に積む葺石(ふきいし)は現在確認されていません。また、周囲からは、赤色顔料が付着した土師器壺(はじきつぼ)(有段口辺壺)が採集されています。前方部の裾部分は、それほど開いておらず、後方部と前方部との比高差も大きくなっていることから、上侍塚古墳よりもやや古い時期の古墳ではないかと推定されます。
那須地域では、古墳時代最古の築造と考えられる那珂川町の駒形大塚(こまがたおおつか)古墳のほか、那須八幡塚(なすはちまんづか)古墳、吉田温泉神社古墳、また本市に所在する下侍塚古墳、上侍塚古墳、上侍塚北古墳などの前方後方墳が約4kmの範囲につくられています。これは、全国的にみても那須地域の大きな特徴であると言えます。
9月頃からは、市による上侍塚北古墳の学術調査が始まります。これから、また新たな事実が明らかになっていくことが期待されます。

問合せ:なす風土記の丘湯津上資料館
【電話】0287‒98‒3322

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