■スクワットとウオーキングのすすめ
上都賀郡市北部地区医師会幹事(日光地区)
藤原医院
藤原 弘道(ふじわら ひろみち)
「健康寿命」という言葉を知っていますか。これは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義され、健康で自立した生活を送ることができる期間をいいます。
令和5年版「高齢社会白書」では、令和元年の健康寿命は男性72年、女性75年となっており、平均寿命と比べて男性で約9年、女性で約12年の差があります。これはつまり、晩年の約10年前後は介護が必要になる可能性があることを意味します。
また、加齢による筋肉量の減少は下肢に著明で、20歳の時に比べて、80歳の時には約30%減少するといわれています。健康寿命を延ばすためには、介護予防の意味も含めて、下肢の筋力強化を中心とした運動が望まれます。
そこで、身近な運動としておすすめしたいのが、スクワットとウオーキングです。
スクワットは下肢の筋肉全体および背筋の筋力強化が期待でき、ゆっくりと10回、1日2セットを行うことが目標です。
ウオーキングは最も身近で、手軽な有酸素運動の代表です。筋力強化のみならず、ダイエット効果、さまざまな生活習慣病の改善、心肺機能の強化、骨粗(こつそ)しょう症の予防など、多くの効果が期待できます。
ウオーキングは、やや早歩きで1日30分が目標です。ただし、負荷のかけ方には個人差があるので、まずは主治医の許可を得て、運動を行った翌日も筋肉痛や関節痛が起きない程度から始めることが目安となります。
どちらも習慣的に持続することが大切で、これから屋外で活動するのによい時季ですので、ぜひ実行してみてはいかがですか。
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