10・11月の休診日:毎週日曜・月曜、10/15(火)、11/5(火)、11/23(土)
■熱中症予防~適切な飲料水の使い分け~
病院長 並木宏文
久米島でもまだまだ暑い日が続いております。また10月27日には久米島マラソンの開催も予定されています。そこで今回は、熱中症予防を中心に取り上げたいと思います。
◇熱中症とは?
暑熱環境における身体適応の障害によって起こる状態の総称が「熱中症」です。日本における熱中症死亡者の約8割が65歳以上の高齢者であり、半数以上が自宅で発生しています。また、スポーツにおける熱中症の約3割は2時間を超える練習で発症しています。高齢者は自宅を涼しく、若い世代は屋外での作業中、運動中に注意が必要です。
◇熱中症の予防法
予防には身体を冷やすことが効果的です。冷やす方法には大きく分けて2つ(外部冷却・内部冷却)あります。
・外部冷却…氷水浴やアイスパック、クーリングベスト、送風のような従来から使用されてきた冷却方法。皮膚温や核心温を効率的に低下させます。
・内部冷却…脱水を回復防止することに加え、冷たい飲料などを接種することで身体を体内から冷やすことができます。電解質、糖質を補給できることも重要です。また、運動時はスポーツドリンクの種類を適切に選択することも効果的です。下記の図にまとめていますので参考にしてみてください。
■秋を感じよう~マインドフルネス~
公立久米島病院 小児科 渡邉 幸
日差しもすっかり和らぎ、秋を感じる季節になりました。今回はストレス対策のお話です。
今の時代はインターネットで様々な情報を瞬時に得ることができますが、気をつけないと「情報過多」状態となり、脳の疲労、自律神経の疲れを招いてしまいます。また、先々の不安や過去の出来事に対する後悔など、目の前にないことについていつも「考えて」しまう状態もストレスの原因となります。特に子育て中の方は、朝起きてから寝るまで、子供のこと、仕事のこと、家のことで頭がいっぱいで、自分のための時間もなかなか持てません。「最近イライラしやすい」「やる気が出ず、ぼーっとしてしまう」などは、脳と身体にストレスがかかり、身体が「ヘルプサイン」を出している状態とも言えます。
忙しくて自分のための時間もとれない、という人にもできるストレス対策がマインドフルネスです。「マインドフルネス」は、不安症状を軽減したり、うつ病の再発率を減らすなどの治療効果や、禁煙の成功などなど様々な分野で効果が認められています。
具体的な方法は「“今ここ”で、感じることに集中する」だけです。例えば、食事中に料理の味や触感をただただ味わう、鳥の鳴き声や風の音に耳を澄ませるなど、目の前にある物事に五感を使って感じるだけなので、いつでもどこでもできます。携帯を見ながらの食事を止めるだけでいいのです。ストレッチや散歩で体の動きを感じたり、自分の呼吸に集中することもマインドフルネスです。ただ、やってみるとわかるのですが、「感じよう」と思っていても、気がつくと別のことを「考えて」しまうことがよくあります。その時には「集中が途切れた自分」に気づいて「また感じることに集中しよう」と、戻れればOKです。繰り返しているうちに上手になるようです。
心身が疲れている時に避けたいのは「イライラしている自分はだめだ。」と自分を否定して無理やりがんばらせることです。イライラしたりやる気の出ない自分に気づいたら「心身が疲れているな」と認めてください。温かいお茶を味わったり、秋の風を感じたり「今ここ」にあるものを感じることに集中し脳に休憩をあげてみてください。そうして、少しだけ心に余裕ができたり、自分の状態を客観的に見ることができれば効果ありです。ぜひ試してみてください。
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