公立久米島病院だより

23／28

6・7月の休診日：毎週日曜・月曜、7/16(火)

■「医師の働き方改革」について
公立久米島病院　病院長　並木　宏文

2024年4月より、病院などに勤務する医師の過重労働を改善するため、時間外労働を規制する「医師の働き方改革」が始まりました。日本の医療は、医療機関に勤務する医師の長時間労働により支えられてきた側面があります。「医師の働き方改革」とは、このような現状を‶改革”し、医師が健康に働き続けられるような環境を整備することで、患者様に提供する医療の質・安全を確保すると同時に、将来にわたって持続可能な医療提供体制を維持していくための取り組みです。
久米島病院においては、島で唯一の救急診療を行っており、また、「病院に医師を宿直させなければならない」と法律で定められているため、病院には常に医師がおります。当院の救急診療もまた、医師や他の医療技術者の時間外労働により支えられております。
そのため、住民のみなさまにおかれましては、夜間・休日の受診について以下のお願いをさせて頂きたいと思います。
・久米島病院では、救急病院として夜間・休日に、急な病気、ケガの方に対して緊急診療を行っています。緊急ではなく翌日以降の受診が可能な方は、久米島病院の診察時間内で受診いただくようお願いします。
・夜間・休日に受診が必要な方は、可能な限り、公立久米島病院に電話をいただけるようお願いいたします。看護師が患者様の状態を聞き取り、医師に診察の可否を確認したうえで対応いたします。
・受診の際は、お付き添いの方も含めマスクの着用をお願いします。
・適切な救急車の利用をお願いします。
・夜間・休日は緊急の場合を除き、慢性疾患の検査・治療、往診治療や電話での診療相談は行っておりませんので、ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。
久米島病院はこれからも医療の質と安全を確保し、地域のみなさまへ継続して医療を届けられるよう努めて参ります。今後とも皆さまのお力添えをいただけると幸いでございます。

■「5歳児健診が子育て政策の一環に!」
公立久米島病院　小児科　渡邉　幸
これまで乳児(前期・後期)健診、1歳半・3歳児は国の政策として行われてきましたが、5歳児健診は各自治体の意向により自治体の予算で実施することになっており、実施率が低い状況でした。提唱されてから20年以上を経て有用性が認められ、ようやく国の子育て政策に盛り込まれ、2024年4月から5歳児健診が国の公費助成の対象となりました。
5歳児健診は3歳児健診では気づきにくい発達の課題を就学前に発見し、スムーズな就学支援へと繋げることを目的とした健診で、30年ほど前に鳥取県で開始されました。乳幼児健診との大きな違いとして「集団での様子」を確認する項目があります。例えば「集団遊び」では4-5名が1グループとなり保育士主導で、絵本の読み聞かせや手遊び、体を使った遊びなどをしたりします。
発達特性のあるお子さんの中には、家庭でのやり取りでは問題がないのに、保育園生活で先生の話を聞いたり、友達と何かを一緒に行うことが極端に苦手な子がいます。その理由として、子どもの発達段階として、3歳までは一対一の遊びが中心ですが、4-5歳になると社会性が伸びて小集団で協力して遊んだり、少し我慢して話を聞いたりができるようになります。発達特性があり、社会性の発達がゆっくりなお子さんにとっては、家庭よりも集団生活で困り感が増えます。
この時期は小学校に向けての大事な準備期間となるため、できないことを叱られて失敗経験を積むのでなはく、その子の特性に応じて生活環境を整えたり、声掛けをする事で、少しずつ集団生活に慣れていくことがとても大事です。5歳児健診ではこのようなお子さんの困り感に気づき、スムーズな就学に向けた支援を行なっていくために行われています。
久米島町では2017年から3年間、5歳児健診を提唱された小枝達也先生を召喚し発達相談や勉強会を行っていただいており、2018年から5歳児健診を行っています。2024年4月時点で沖縄県で5歳児健診を行なっているのは久米島町だけですが、今後は県内でも実施市町村が増えていくようです。
久米島町の5歳児健診では、身体測定や視力検査、集団遊びに加えて、保健師や栄養士による保健相談、心理士の育児心理相談、言語療法士によることばの相談、医師の発達相談などいろいろなことが相談できる体制となっています。小さな事でもお気軽にご相談ください。
親子で安心して就学に向かえるよう、久米島町の5歳児健診をぜひご活用ください!

受付時間：
午前8時30分～11時
午後1時～4時

問合せ：【電話】985-5555