令和6年第1回南風原町議会定例会の開会にあたり、予算案をはじめとする各議案の説明に先立ちまして、私の町政運営に対する所信を申し述べ、町民皆様並びに議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
南風原町長 赤嶺 正之
■はじめに
元日に発生した令和6年能登半島地震により、亡くなられた方々に心より哀悼の意を表しますとともに、被災された方々にお見舞い申し上げます。被災地の一日も早い復旧・復興を心より願っています。今後も引き続きできる限りの支援を行ってまいります。
本町においても、予測できない災害から町民皆様の生命・財産を守るため、防災力を強化し、災害対策にしっかりと取り組む所存であります。
また、昨今の社会情勢をみますと、原油価格や電気・ガス料金を含む物価高騰等の影響が依然として続いており、町民生活及び地域経済の完全回復には至っていない状況となっています。
そのため、引き続き町民生活及び地域経済の回復と活性化に向けて取り組んでいきたいと考えております。
私は町長就任以降、未来へつなぐ「愛・夢・安らぎ」をスローガンに、南風原町総合計画の将来像である「ともにつくる黄金南風の平和郷」の実現と、町民皆様と約束した7つの政策を達成するため、議員並びに町民皆様と力を合わせながら、まちづくりに取り組んでおります。
具体的には、自治体DXの推進による町民サービスの向上や、将来のための土地利用の見直し、これまで進めてきた平和・教育・文化・福祉・子育て支援等についても、町民皆様の声を聞きながら着実に推進しているところです。
全国的に人口減少・少子高齢化が急速に進展し、今後を見据えた施策が必要になっています。本町においても様々な施策を検討し、今後も南風原町に「住みたい」「住んで良かった」「ずっと住み続けたい」、そう思っていただけるような魅力あるまちづくりに取り組み、人口を増加させることで「愛・夢・安らぎ」に満ちた賑わいのあるまちを目指します。
それでは、令和6年度に実施する施策について、その骨子を申し述べます。
■ともにつくる黄金南風(こがねはえ)の平和郷(さと)について
総合計画の将来像である「ともにつくる黄金南風の平和郷」の実現に向け諸施策を展開します。
その基本理念の「平和」、「自立」、「共生」については、町民平和の日を中心に、「平和」の尊さを願う町民の心を、国内はもとより世界へ向けて発信する平和なまちづくりに取り組みます。また、新たな時代の中で、「自立」した多様な人々が育ち集う、地域力のあるまちづくり、そして自然との調和、人と人のつながりを大切にした「共生」のまちづくりを目指します。
■みんなで考え、みんなで創るわくわくするまちについて
開かれた町政運営を目指し、町広報誌やホームページ、SNS等を活用し、迅速で的確な行政情報の発信に努めます。また、まちメールや町政提案箱、行政懇談会の他、各種委員会への女性委員、公募委員の登用、パブリックコメント制度の活用等により、町民から意見をいただく機会を確保し、町民の町政への参画を促すとともに、町民の声が町政に反映されるよう取り組みます。
■きらきらと輝く人が育つまちについて
家庭教育、ふるさと教育、学校教育を通じて、自ら考え、決め、行動できる人づくり、そして人をつなげることでより大きな力が発揮できるよう、人と人のつながりを育む環境づくりを、家庭と学校、地域が一丸となって取り組みます。
学校教育では、新たに学校運営協議会を設置し、地域との連携・協働により「地域とともにある学校」への転換をはかります。また、これまで取り組んできた児童・生徒の基礎学力の定着と併せて、全ての教科の基礎となる「読解力」の強化に取り組み「確かな学力」向上を図ります。町内小中学校のICT環境を活用し、わかりやすい授業づくりや子どもたちの「主体的・対話的で深い学び」の実現に取り組みます。更に子どもたち一人ひとりの教育的ニーズを踏まえた学びの充実に向けて、医療的ケアが必要な児童生徒が安心して学校生活を送れるよう「医療的ケア看護職員」の配置を行います。
幼稚園教育、保育の充実については、保育の必要性と幼児教育の重要性を認識したうえで「南風原町立幼稚園の今後のあり方について」の方針に基づき、教育・保育を一体的に提供できる「認定こども園」の検討や、3歳児の受入れについて具体的に取り組みます。
学校給食については、児童生徒の健康保持、増進を図り、栄養士による食に関する授業や食育講話を行い、食に関する正しい理解を養います。また、物価高騰における子育て世帯の負担軽減策として、幼稚園・小中学校の給食費を3か月減免します。
教育施設については、昨年度に引き続き、小中学校体育館のLED照明への切り替えを行い、環境改善と温室効果ガスの削減やコスト削減に取り組み、教育環境の充実に努めます。
生涯学習を推進するため、中央公民館や文化センターを文化活動や学習活動の拠点として、多くの町民の学び・体験・交流ができる機会の拡充を図ります。また、魅力ある図書館を目指し、電子図書や地域資料等の整備充実、地域と学校が連携・協働できるよう地域学校協働本部(学校応援隊はえばる等)の活用を図ります。
平和学習・交流・観光関連事業の推進については、沖縄陸軍病院南風原壕群の活用、「子ども平和学習交流事業」による小学生の派遣、「青少年の国際交流」による中学生のカナダへの派遣を実施します。カナダレスブリッジ市とは、令和5年に友好都市締結20周年を迎えたことから、記念事業を実施し、これまでの交流受入れ等への謝意を伝えるとともに、今後の更なる相互交流に繋げます。
また、「海外子弟移住者研修生受入事業」を実施し、文化交流を図ります。
スポーツ振興については、黄金森公園施設を活用したスポーツキャンプ等を誘致します。また、町民へ広くスポーツ活動の機会を設け、生涯スポーツ及び競技力向上の推進に取り組みます。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>