南風原町内にある20の行政区について紹介していきます。
第4回は、宮平区と宮城区です。
■宮平区
宮平(なーでーら)は南風原町のほぼ中央に位置しています。学校や公園にも隣接し、都市化が進み、大手スーパー、映画館、マンション、アパートが進出しているほか、人口は年々増加しています。
また、現在宮平保育所が建っている場所は、琉球王国時代には番所、そして戦前には南風原村役場が置かれ、南風原の中心地だった場所です。今でも地中には古井戸や石畳、排水溝など琉球王国時代の遺構が保存されています。
宮平自治会の大きな事業として「餅つき大会」「綱引き夏祭り」「敬老会・十五夜祭り」があります。首里王府から拝領された伝統芸能文化である「宮平獅子舞」は、毎年敬老会・十五夜祭りで披露されています。
「宮平獅子舞」の継承にあたり、小中学生を対象とした子ども獅子舞や三線(地謡(じうてー))の練習をおこない、コミュニケーションを図っています。
獅子舞に興味のある方は、ぜひ宮平シーサー館に遊びに来てください!
■宮城区
宮城(なーぐすく)は、南風原町の北東に位置しています。西原町・与那原町と隣接し、南風原北インターや与那原バイパスに接しているため、交通の利便性が高い地域です。
宮城には羽衣伝説が伝えられており、天女が沐浴したとされる町指定文化財の「御宿井」(うすくがー(井泉))があります。また御宿井の周辺は、これまでに発掘調査もおこなわれています。その結果、御宿井の改修作業で見つかった石畳がおよそ300年前につくられたことが判明したほか、500年以上前の「グスク時代」とよばれる時代にあたる陶磁器や香炉などが出土しています。
宮城の綱曳きは、旧暦6月15日のウマチー綱と旧暦6月26日(新暦に置き換えた週の日曜日)の大綱曳きの2回行われます。令和3年からは、伝統行事として継続していくため、宮城綱曳実行委員会を設置して運営しています。綱曳きは、区民共通の行事として一体感を生み、さらに世代を超えた交流の機会となっています。
◆伝統文化の運営・継承の担い手として
南風原町の旧字には、綱引きや十五夜遊び(獅子舞、棒術、舞踊)、腰ゆくいなど、中には300年の古くから続く伝統行事が綿々と受け継がれています。これは準備運営から費用確保まで自治会が担っています。子どもたちにとってこれら行事への参加・体験はきっと故郷の原風景としての貴重な思い出づくりになるでしょう。
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