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多賀町立博物館

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滋賀県多賀町

◆企画展
▽多賀のワニ化石とその仲間たち
多賀町四手から産出したおよそ180万年前のワニの歯化石をはじめ、巨大な古代のワニ・マチカネワニの復元骨格や浜名湖北岸の採石場から見つかったヤゲワニの骨格化石(実物)、三重県伊賀市の古琵琶湖層から産出したワニ化石群、大分県の安心院(あじむ)盆地産出の世界最古のヨウスコウワニ化石など、新生代後半の日本各地から産出したワニの化石が大集合します!伝説の生き物「龍」のモデルになったとも言われている貴重な古代のワニたちをぜひご覧ください。
会期:3月2日(土)~4月7日(日)
会場:あけぼのパーク多賀 エントランスホール、美術工芸展示室

▽企画展関連イベント
開催日:3月24日(日)
会場:あけぼのパーク多賀 大会議室

講演会「多賀のワニ化石の謎・謎・謎!」
多賀町で発見されたワニの歯化石は、この時代の琵琶湖にワニが生息していたことを裏付ける貴重な証拠ですが、わずかな標本しか発見されていないため多くの謎が残されています。長年にわたり古代ワニの研究に携わってこられた谷本正浩(たにもとまさひろ)先生から、その謎ときのお話や最先端の研究成果についてご紹介いただきます。
講師:谷本 正浩(きしわだ自然資料館専門員)
時間:10:30~12:00

座談会「ワニもゾウもいた180万年前の多賀町の自然を考える」
「多賀町古代ゾウ発掘プロジェクト」は開始から10年が経過しました。この間に採集された化石は3,000点を超え、アケボノゾウと共存していた動植物に関するさまざまなことが明らかとなりました。
この座談会では、これまでの調査成果について、各専門分野の研究者からご報告いただき、参加者の皆さんとともに180万年前の多賀について考えてみたいと思います。
時間:14:00~16:00

※講演会、座談会ともに申し込みが必要です。電話、FAX、窓口で直接お申し込みください(定員50人)。3月2日(土)から申し込みを受け付けます。

◆博物館のこぼれ話
▽ワニが住んでいた多賀町
自然の豊かな多賀の山野にはさまざまな生物が生息していますが、散歩中にワニに出会ったという話は聞いたことがありません。しかし、約180万年前には多賀町にもワニが生息していたことがわかっています。多賀町四手の工事現場や古代ゾウ発掘プロジェクトの発掘地から、これまでに5点のワニの歯化石が発見されているのです。
現在、日本列島にはワニの仲間は生息していませんが、各地から化石が発掘されており恐竜の生きていたジュラ紀から第四紀のチバ二アン期まで、さまざまなワニの仲間が生息していたことがわかっています。琵琶湖の生い立ちが記録されている地層”古琵琶湖層”からもワニの化石が見つかっており、多賀町産の標本は今のところ古琵琶湖層でもっとも年代の新しい物です。
ワニは多くの歯を持ちそれらは数年で生え代わるため、生涯で2,000本近くの歯を生息場所に残したはずです。同時にたくさんの個体がいたと考えると、化石として保存され人間に発見されるのがどれほど難しいことか想像できると思います。これまでに発見されている化石の多くが歯や骨のわずかな部分だけなのはこうした事情によると思われますが、そのため古代ワニたちの実像はまだよくわかっていません。
そんな中で、大阪府豊中市の大阪大学構内から発掘されたマチカネワニは頭部から胴体までさまざまな部分が保存されており、頭骨の特徴から東南アジアに生息しているマレーガビアルに近縁な新種Toyotamaphimeia machikanensis(トヨタマヒメイア・マチカネンシス)として命名されました(古事記に登場するワニにゆかりの女神・豊玉姫にちなんでいます)。また、中国の揚子江下流域に生息しているヨウスコウワニの仲間の最古の化石が九州から発見され、ヨウスコウワニの起源地が日本である可能性も考えられています。
昨年は、台湾から産出した化石がマチカネワニと同属の新種T.taiwanicus(トヨタマヒメイア・タイワ二クス)として再記載されました。また中国南部では、マチカネワニの仲間が歴史時代まで命脈を保っていて人間に滅ぼされた可能性も指摘されています。東アジアの古代ワニを巡る物語は、現在、世界中の研究者から注目を集めているのです。

→多賀町立博物館
【有】2-2077【電話】0749-48-2077【FAX】0749-48-8055

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