■大きく深呼吸、森のあそびを楽しむ達人
徳田侍汰(とくだじんた)さん、中村澄海(なかむらすかい)さん、山本菜々美(やまもとななみ)さん(森づくりサポーター・森守(もりもり)こどもサポーター)
びわこ地球市民の森を居場所にして楽しく遊び、学び、活動する3人の子どもたちを取材しました。
◇森守こどもサポーター始動 プレイパーク構想の第一歩
県営びわこ地球市民の森では、平成13年から13年間で植栽された16万本を超える苗木が成長してきています。森づくりの活動も「植樹」から「育樹」へと変わってきました。森の育樹は、文字通り森を育てることで、合わせて、多くの人に森を活用してもらっています。
森づくりセンター副所長の小林竜太(こばやしりゅうた)さん(みらいもりやま21)は、育樹の一つのきっかけに「プレイパーク」(森の中で自分で考えて遊ぶ)の構想を持っています。
実現への第1歩として、今年8月に児童対象の「森守こどもサポーター」を立ち上げました。
◇3人の子どもたちが見せた「遊び」からの学びと成長
森守こどもサポーターは、小学4~6年生を対象に「森を育てて子どもを育てる」実践の試みです。立ち上げの隠れた立役者が、徳田 侍汰さん、中村 澄海さん、山本 菜々美さんの3人の子どもたちでした。
徳田さん、中村さん、山本さんの3人は、ひなぎくこども園の同窓生で、今は速野小学校の6年生。それぞれに森が好きで、家族や友達と、1人でも放課後や休日など時間があると森に遊びに来ていました。
小林さんの誘いで、今春「森づくりサポーター」(企業や団体・個人が登録)に個人登録してから、ノコギリの使い方を教えてもらいました。最初は間伐材でクラフト用の円盤を作ることからでしたが、どんどん上達して今では間伐の作業も様になってきました。
それだけでなく、ほかの森づくりサポーターの清掃活動に参加したり、困っている来園者に声をかけたり、小さな子どもたちの遊び相手になったり、自分で「やりたい」と感じる、いろいろな活動でスタッフの手伝いをするようになりました。
◇森はとても落ち着く場所 出会いと経験を重ねて
森を居場所にする3人は、「森には虫の声や鳥の声がして、生き物がたくさんいます。にぎやかなのに、なぜかとても落ち着きます。後は…どうしてか分からないけど、森がすごく好きです」と、少しはにかみながら教えてくれました。
大人でも森林浴が健康に良いというくらいで、森はパワーにあふれています。3人の子どもたちは森で遊びながら、デイキャンプに参加したり、いかだづくり(野洲川冒険大会に出場)をしたり、たくさんの出会いと経験を重ねてきました。3人は「中学生になったら忙しいかもしれないけれど、これからも森で自主的なサポーター活動を続けたい」と意気込んでいます。
◆「プレイパーク」の夢へ、子どもたちに見えた手応え
びわこ地球市民の森 副所長 小林竜太さん
びわこ地球市民の森によく遊びにきている子どもがいるな、というくらいでしたが、顔を覚えていました。「ホッピングで記録に挑戦しよう」というイベントに参加していた徳田さんと中村さんが、森を大切にしていることも伝わってきたし、なんとなく私たちスタッフのお手伝いをしたがっているように見えたので、「森づくりサポーター」に誘ってみることにしました。楽しそうに活動しているのを見て、少し遅れて山本さんもサポーターになりました。
子どもなので「遊び」が一番ですが、毎日のように来て、「こばやん(小林さん)、何かすることない?」と声をかけてくれて、楽しそうに手伝ってくれます。
徳田さん、中村さん、山本さん3人の姿が、私たちの「森を育てて子どもを育てる」プレイパーク構想に自信をくれました。森守こどもサポーターでもリーダー的な存在になるのでは、と期待しています。
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