■みんなの「うまい」はうれしいけれど「うまい」話に食われるな
守山警察署の啓発動画に出演した 嶋田(しまだ)あさ美(み)(あみん)さん
市内在住の嶋田あさ美(インスタグラム名:あみん)さんは、育ち盛り食べ盛りの小学生3人のお母さんとして奮闘する傍ら、節約簡単料理を紹介するインスタグラマーとして最近注目されています。
近頃増えているSNSを使った投資詐欺の被害者とフォロワーが同じ年代層なので、守山警察署から協力依頼を受けて出演した「SNS型投資詐欺被害抑止動画」が、滋賀県警察公式YouTubeチャンネルで8月に公開されました。
警察官や市役所職員と一緒に、モリーブで買い物客などにチラシや啓発品を配る啓発にも参加しました。
▽人気の節約簡単料理は日々の暮らしが原点
嶋田さんは仕事をしながら、5人家族の主婦をしています。
「若い頃は台所にほとんど立たず、社会人になっても料理上手な母親にお弁当を作ってもらっていた」という嶋田さんが料理を始めたのは、結婚してから。レシピ通りに料理をしようと頑張ったら、食費がすごいことになってしまったとか。
子どもが生まれてからも保育園に預けて仕事をしていたので、毎日の料理に時間をかけられません。嶋田さんの「節約簡単料理研究」の原点は、日々の暮らしの中にありました。
最近のインスタグラムの人気について、嶋田さんは「私はどこにでもいる節約主婦なんです。投稿もキラキラがないので、〝ほんまに節約頑張っている人やん〟て思ってもらえたのかも」と笑っていました。
▽ルールも知恵も家族の笑顔のために
「インスタグラムでの投稿をするようになって人生が変わった」と嶋田さん。仕事は在宅ワークを中心にして、家で学校から帰ってくる子どもを迎えられるようになりました。
嶋田さんの家には、いろいろなルールがあるそうです。料理の工夫はあくまで家族のためなので「子どもの前でインスタグラマーの姿は見せない」はマイルール。節約しながら味も量も満足できる献立を考えて工夫するので「ごはんは何?と聞いてはいけない」「〇〇が食べたいと献立を指定してはいけない」というのは家族ルール。苦手な食材も食べられるように工夫するけれど「一度でも食べられたら〝嫌い〟は認めない」というママルールもあるとか。でも、夫の孝康(たかやす)さんからも子どもたちからも、食事のことで文句を言われたことはない、と嶋田さんは胸を張ります。
SNSの投稿も「自分の投稿を参考にしてくれる人がいるから頑張ろう」と励みにしているといいます。
▽主婦の夢とやりがいは家族の笑顔と夢の後押し
家族の生活や子どもの将来を考えて家計を管理する人の気持ちが分かるから、守山警察署から連絡をもらった時、「私でできるんやったら」と引き受けることにしたといいます。モリーブは近所なので、夏休み中の子どもたちも一緒に来て啓発を手伝ってくれました。
インスタグラマーとして人気が出てきましたが、家族の反応は至って普通。嶋田さんも「今の人気は一種のブームでしょうし、やりがいを感じなくなったら私の投稿もいつまで続くか…」と話します。
遠い先のことは分からないけれど、今の夢は「バレーボールで全国大会をめざして頑張っている6年生の莉緒さんの願いがかなって、家族で全国大会の応援に行くこと」だそうです。
◆家族の笑顔と未来を守るためにSNSからの投資は詐欺を疑って
▽あみんさんのSNS発信力で詐欺防止を呼びかけ
守山署 生活安全課 辻本宗利(つじもとむねとし)課長
守山署管内のSNS型投資詐欺の発生件数は、今年1月~8月で12件、被害額は約1億8,700万円に上ります。高齢者だけでなく、働き盛りの女性被害者が多いのが管内の特徴です。
SNSを使った詐欺ならば、SNS発信力のある人による防止啓発が効果的と考えて、節約簡単料理を紹介するインスタグラマーのあみんさんにSNS型投資詐欺被害抑止動画への協力を依頼しました。
SNSを使った投資詐欺やロマンス詐欺は、巧妙な上にスマホで完結してしまうことも多いので、自分は大丈夫と思わず「もしかして」と疑ってください。
私たち警察は、1件でも、1円でも被害件数と被害額を減らすため、防止啓発の動画配信や街頭啓発などをしています。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>