■「健康も充実感も」欲張りスポーツの面白さ
守山バウンドテニスクラブ
◆バウンドテニスは日本生まれのニュースポーツ
バウンドテニスとは、昭和55年にメルボルンオリンピックでレスリング金メダルを獲得した笹原正三(ささはらしょうぞう)さんが考案・開発したニュースポーツです。
3メートル×10メートルのカーペットコートで、高さ50センチのネットを挟んで打ち合う、テニスと卓球を混成したようなルールです。
まだグラウンド・ゴルフほどメジャーではありませんが、屋内競技なので天気に左右されず、コートも広くないので、いつでも誰でもできるメリットがあります。
スポーツの楽しさと健康づくりの両面を充実させた生涯スポーツとして注目され、日本選手権や全国大会が開催されるほどになっています。
◆何コレ、楽しい 体験会で出会ったスポーツ
クラブ代表の松本益規子(まつもとまきこ)さんと副代表の杉田悦子(すぎたえつこ)さんは、平成30年に親子で体験会に参加して、初めてバウンドテニスに出会いました。とても楽しかったので、ぼちぼちと準備を進めて翌平成31年4月に「守山バウンドテニスクラブ」を立ち上げました。
松本さんはスポーツ初心者、杉田さんは全く違うジャンルのスポーツをしながらの参加でした。松本さんは「始めたばかりの頃は、少しプレイしただけで息があがって倒れそうになっていました。でも楽しくてね、続けているうちに体力がついてきたのでしょう。今はゲームもできるようになりました」とうれしそうに話していました。
◆実力派からゆったり参加まで 自分のやりたいスタイルで
バウンドテニスには、相手の返しやすいボールを打ってラリーの本数を競う「BTラリー」と、競技性の強い、相手を打ち負かす「シングルス」「ダブルス」という種目があります。
テニスや卓球など競技経験がある人(故障や加齢で転向した人を含む)や若い参加者の中には、「シングルス」「ダブルス」で競技スポーツの側面を楽しんでいる人もいます。長年ソフトテニスをやっていたという上野(うえの)かおりさんは、今年の日本選手権でベスト8まで勝ち進んだ実力者です。
勝負や試合より、健康づくりを目的にしてラケットを振るメンバーもいます。チームのコート係をしている森絹代(もりきぬよ)さんは「初心者で入って、試合には出ていません。全身を使うスポーツで楽しいから続いています。目的に合わせてではなく、その日の気分や体調に合わせて自分のやりたい練習に参加しています」と話していました。
◆いろいろな楽しみ方ができる生涯スポーツの奥深さ
発足当時から、バウンドテニスを普及させようと県内各地で体験会などを開催してきた北村敏子(きたむらとしこ)さんと松岡伸二(まつおかしんじ)さん(県バウンドテニス協会)は、発足から5年となる今でも守山クラブに参加していて、指導者というより、すっかり仲間のようになっています。
松岡さんは「県内にいくつものグループができましたが、選手育成を目指すグループやジュニアチーム、高齢者で構成しているグループもあります。いろいろな楽しみ方ができることがバウンドテニスの奥深さであり生涯スポーツの魅力といえるところ。守山クラブはメンバーのバランスもいいと思います」と話していました。
◆経験も年齢も違うメンバーがスポーツを通して仲間になる
守山バウンドテニスクラブでは、現在40歳代から80歳代まで約20人の仲間がいます。競技経験も年齢も性別も違う仲間なのに、とても仲が良いそうです。
毎週1度の練習だけでは物足りないメンバーが近隣のクラブに飛び入り参加することも。選手権のほかに各地で交流試合も開かれているので、試合に興味がなくても仲間とプチ旅行気分を味わっているといいます。
松本さんたちは、競技スポーツの充実感を体感しながら健康づくりにもなり、仲間との絆も得られる欲張りなニュースポーツ(生涯スポーツ)の面白さを、もっと多くの人に広めたいと考えています。
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