文字サイズ
自治体の皆さまへ

壷中雑記(32)―歴史文化博物館から―

15/32

滋賀県愛荘町

■重要文化財の消防訓練!豊満神社四脚門
文化財を火災、震災その他の災害から守るため、意識の高揚を目的とする文化財防火デーが、毎年1月に展開されています。今年は、重要文化財豊満神社四脚門で消防訓練が実施されました。

▽文化財防火デー
9月1日は、防災の日とされています。防災の日は、大正12年(1923年)に関東大震災が起きたことから、災害が発生した際の防災意識を高めてもらうため制定されています。
さて、文化庁と消防庁では、昭和30年(1955年)に1月26日を文化財防火デーとして定め、毎年この日を中心に文化財を火災、震災その他の災害から守るため、文化財防火運動を展開しています。そして、文化財愛護意識の高揚を目的として、全国各地で防火訓練や消防設備の査察などを実施しています。近年、世界遺産であるノートルダム大聖堂や首里城跡で火災が発生しており、所有者や関係機関は、同様の火災が生じないよう、消火設備や警報設備の適切な維持・管理を行い、火災予防対策にも、万全を期しています。文化財防火デーは、昭和24年(1949年)1月26日に法隆寺の金堂が炎上し、貴重な壁画が焼損したことにより、制定されています。今年も文化財防火デーに伴って各地で防火訓練などが開催されました。

▽重要文化財豊満神社四脚門の消防訓練
町内では、文化財防火デーに伴い今年1月21日に豊満神社四脚門で東近江行政組合愛知消防署の主催の消防訓練が開催されました。消防訓練には、豊満神社、東近江行政組合愛知消防署、滋賀県文化スポーツ部文化財保護課、町消防団、町教育委員会などが中心に参加し、豊満神社境内から焚火が強風にあおられて付近の立木に延焼し、四脚門及び拝殿に延焼危険があることを想定して実施されました。
豊満神社四脚門については、元享3年(1323年)、鎌倉時代後期に造営されたと考えられています。入母屋造で、棟通りに2本の柱を立て、その前後に2本ずつ計4本の控柱を立てる四脚門は、明治35年(1902年)4月17日に国の重要文化財に指定されています。四脚門は、令和2~3年度の2カ年度に屋根などの修理工事が行われており、建立当時の姿を現在も維持している貴重な文化財です。文化財が火災に遭わないよう火の取扱いには十分注意しましょう。

歴史文化博物館学芸員 竹村吉史

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU