■忍者の修練
忍者がさまざまな任務をこなすためには、強い身体と精神が必要でした。そのために、常日頃から厳しい修行を行っていましたが、そのような厳しい修練を忍者はどこで行っていたのでしょうか。
伊賀や甲賀の山々には、忍者たちのルーツの一つといわれる山伏(やまぶし)の行場があります。山伏とは険しい山での修業によって、特殊な技能と呪術を身に付けた修験道の修行者のことをいいます。修行者は修行の上で「九字護身法(くじごしんほう)」を用いており、これは忍者が忍術を使っていた際によく見られます。
山伏の行場とされる山には大規模な山岳寺院跡が残っており、20カ所以上の宿坊が建ち並んでいたことが絵図に描かれたり、郭群が実際に残っていたりします。山岳寺院跡からは忍者のルーツとされる修験道の痕跡を感じることができます。
□霊山(れいざん)山頂遺跡(伊賀市下柘植)
斜面地に郭群が連なる寺院跡。多くの人がここで修行していた。
□飯道山(はんどうさん)(甲賀市信楽町・水口町)
近江屈指の修験霊場。今も石垣で囲まれた寺院跡が残る。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>