■第22回歯周病について知っとこうか
歯科口腔外科 主任部長 蝿庭秀也(はえにわひでや)
□どうして歯周病になるの
歯周病とは細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐき(歯肉)が腫れたり、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。
歯周病の一番の原因は歯に付着するプラークで、ブラッシングが不十分であると歯や歯と歯肉の間に付着してしまいます。体調や、口内の乾燥により付着しやすくなります。また、唾液や体液中の成分と固着して歯石を作り歯周病細菌の温床になります。
□歯周病の予防と治療
プラークは細菌の作るバイオフィルムという膜を形成しているため、うがいだけでは除去することができません。歯磨きや歯科医院での清掃が予防に有効です。また、歯石は歯磨きで取り除けないため歯科医院での除去が必要で、さらに歯の表面を滑らかにする治療を受けることで歯石の再沈着を防ぎます。進行した場合には歯周外科治療や抜歯も治療法となります。
□歯周病は歯を失う原因
歯を失う2大原因は歯周病とう蝕(しょく)(虫歯)ですが、なかでも歯周病が最も多く37.1%を占めています。30歳以上の成人では80%が歯周病にかかっているとされ、歯周病は年齢とともに悪化して40歳以降急速に歯が失われる原因となります。
□歯周病は様々な全身疾患との関わりがあります
歯周病は生活習慣病のひとつに数えられますが、様々な全身疾患との関わりがあるとされています。歯周病菌は高齢者の死亡原因である誤嚥性肺炎の原因となりうること、歯周病が糖尿病や血管の動脈硬化、早産などに関与する可能性等が述べられています。なかでも糖尿病は歯周病を悪化させる原因であるため、甲賀病院では糖尿病内科と連携し歯周病の管理を行っております。
歯周病の予防と治療には定期的な歯科受診が必要です。かかりつけ歯科をもち、メインテナンスしてもらってください。
問合せ:公立甲賀病院総務企画課
【電話】62-0234
【FAX】63-0588
<この記事についてアンケートにご協力ください。>