いつまでもおいしく食事を取るためには、毎日のお手入れで歯の健康を保つことが重要です。生涯、自分の歯で楽しく食べられるように、お口の健康づくりについて考えてみませんか。
■歯科健康診査を受けましょう
◇妊婦歯科健康診査について歯医者さんに聞きました
妊婦さんに妊婦歯科健康診査を受診してほしい理由は、2つあります。
1つ目はお母さんのためです。妊娠中は悪阻(つわり)などで、歯みがきができなくなったりします。また、食べ物の好みに加えて、ホルモンバランスも変化します。その結果、出産前後を通じて、お口の衛生環境が悪くなる人が多くおられます。歯周病菌は女性ホルモンのエストロゲンが大好物なので、妊娠前は正常だったお口の中が、体の変化に伴い、歯周病が進みやすい状態になり、虫歯にもなりやすくなります。さらに出産後は育児に忙しく、歯医者への通院が難しくなります。お母さんの自由が利く時間は出産前です。出産前にお口の環境を整えて、出産を迎えていただきたいと思います。
2つ目は赤ちゃんのためです。妊娠中、お母さんが歯周病にかかっていると、健全なお母さんに比べて早産になる確率が高くなります。赤ちゃんを迎えるために、お母さんのお口の健康は大変重要です。
妊婦歯科健康診査は、生まれてくる赤ちゃんを歯医者に連れて来てくださいとお伝えできる機会だと思っています。赤ちゃんをいつ歯医者に連れて行くのか迷うお母さんが多く、4、5歳になって虫歯ができてから歯医者に連れて行くお母さんもいますが、実は0~3歳までの間に歯医者でできることがたくさんあります。虫歯予防もできますし、お口の発達支援もできます。歯が生える8カ月くらいから歯医者に連れて行き、かかりつけ歯科医を見つけてほしいとお伝えしています。ぜひ妊婦歯科健康診査を受診してください。
かがやき歯科クリニック 院長 浅野博さん
◇先生に質問
Q.どれくらいの時期が、妊婦歯科健康診査の受診に適していますか?
A.安定期に受診してもらえると、治療が必要になった場合でも出産までに治療が終わるので良いと思いますが、体調の良い時に受診してください。
◇妊婦歯科健康診査を受診した妊婦さんに聞いてみました
毎日忙しい中、産前(産休中)でないと、自分の体と向き合えないと思っていました。妊婦歯科健康診査を受診して、自分のお口の状態がよく分かりました。また、生まれてくる子どもの歯のことや、子どもの定期受診の時期を教えてもらえて、とても良かったです。今回治療が必要な箇所があったので、出産までに治療の予約を取ろうと思います。
■節目歯科健康診査
10年に一度のお得に受けることができる歯科健康診査です(自己負担1,000円、70歳の人は無料)。自身のお口の状態を知り、歯科医師からアドバイスが聞けます。ぜひこの機会に受診しましょう。
対象:令和6年4月1日時点で40、50、60、70歳の人(6月に受診勧奨ハガキを送付しています)
■妊婦歯科健康診査
歯や歯茎(はぐき)の状態の診査と歯科保健指導が受けられます。治療が必要になったら、次回の予約を取って保険診療で治療を行っていきます。まずは実施医療機関へ予約しましょう。
対象:受診日当日に、市に住民登録している妊婦(妊娠期間中1回受診できます)
その他:母子(親子)健康手帳、各種健康保険被保険者証など本人確認ができるもの、受診料(1,000円)、普段使用している歯ブラシを持参
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