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自治体の皆さまへ

すべての人を大切にするまちに―戦争を繰り返さないために―

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滋賀県草津市

■一人の児童の言葉
担任の先生が社会科の授業で戦争の悲惨さを話していたときのことです。

戦争は、家族や友だち、たくさんの人の命を奪い、一人ぼっちになってしまった子どもたちがたくさんいた。戦争はたくさんの人を悲しませる…。

話を聞いていた一人の児童が手を挙げてこう言ったのです。

あのね、先生。私のおじいちゃんは戦争に行った。今、教えてもらったけど、おじいちゃんも、人を傷つけたり、たくさんの人に嫌なことをしたかもしれない。おじいちゃんは悪い人なんかな。わたしには、とってもやさしいおじいちゃんなんだけど。

戦前の教育で多くの大人や児童たちは、国のために、敵をやっつける、自分の命を投げ出すことが正しいと教えられてきました。間違っていたのは、この児童のおじいちゃんをはじめ、戦場へ送りこまれた多くの人たちではなく、こういう考え、教育だったのではないでしょうか。

■教育がもたらしたもの
これは、太平洋戦争が激しくなった頃、国民学校の当時5年生の児童が書いた日記の一部です。

敵をたたきつぶしてしまえ、わたしたち少国民※は、少しの油断もせず、一生けんめいになっていなければなりません…。国民はかたきをうちましょう。きっとやりぬきましょう。
※少国民…太平洋戦争当時に小学生などに使われていた言葉。年少の国民の意で少年少女のこと。

当時の学校教育は、このような考えを持った(持たされた)多くの児童を生み出してきました。
一方、多くの親は、愛情を注いで育ててきたわが子の命が奪われることには、強い抵抗があったに違いありません。しかしそういった思いを胸の中に押し込み「お国のため」にわが子の命を捧げるのは名誉なことだと、涙を隠してわが子や愛する人を戦場に送り出さなければならないという現実がありました。このような家族が当時、何万とあったのです。これが、戦争に巻き込まれた家族の姿であり、戦争の残酷さの表れです。

■今、戦争を許さないために
今も世界各地で戦争が起こっています。戦場に送られた親やパートナー、子どもの無事を祈る多くの家族がいます。戦争は戦場だけで起こっているのではありません。その後ろには生活を破壊され、気持ちをぼろぼろにされた、たくさんの人々の怒りや涙があります。
市では、昭和63(1988)年10月に基本的人権の永久尊重と恒久平和の実現をめざした「豊かな草津人権と平和を守る都市」宣言をしています。また、自分の命、相手の命を大事にする人権・同和教育が市内の小・中学校などで行われています。こうした取り組みをとおして、戦争を許さない社会をつくっていきたいと思います。
この8月、今一度「平和」や「命」について家族で考えてみてはどうでしょうか。

問合せ:人権センター
(大路二、キラリエ草津3階)
【電話】563-1177
【FAX】563-7070

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