泌尿器のお悩みに私が答えます!
■市立野洲病院 副院長 寺地敏郎(てらちとしろう)
(テストステロン(男性ホルモン)治療認定医)
Q1.最近「男性更年期障害」という言葉を耳にしました。どんな病気ですか?(男性)
長時間労働、職場での仕事内容の変化、転職あるいはリタイアなどの強いストレスは、男性ホルモン(テストステロン)の分泌を減少させます。テストステロン(以下、「T」)の減少は筋力低下、疲労感の増強、性欲の低下や朝の勃起の消失などの原因となります。
また、気分が落ち込んで何もする気がなくなったり、イライラや不安感の持続、不眠などうつ病のような症状を来すこともあります。さらに筋肉の減少は糖尿病発症やフレイルの誘因にもなります。Tの減少による「男性更年期障害」は、30代以降の誰にでも起きる病気です。もしこのような症状が気になったら、血液中Tの値を調べましょう。低い場合はTを補充することで回復が期待できます。
Q2.テストステロン「T」を下げない、あるいは上げるにはどのようなことに気をつけたら良いですか?
食事、運動、睡眠が基本です。十分な量の蛋白質と適量の糖質、そしてTを作るにはコレステロールも必要です。“食物繊維が必要”なことと、“糖質制限による減量はTを下げる”ということは覚えておいてください。
また、運動はTを上昇させ、Tの受容体も増加させることから、有酸素運動やヨガはお勧めです。筋トレも筋肉量を増やし、結果としてTを高めます。長時間労働を避け、余暇を楽しみ、十分な睡眠をとることが重要です。
市立野洲病院の泌尿器科では、女性・男性の排尿の悩みだけでなく、男性の落ち込みがちな気持ちの相談にも対応して、市民の皆さんの身体と心の健康づくりをサポートします。
問い合わせ:市立野洲病院 患者サポートセンター・在宅療養支援室
【電話】587-4432【FAX】587-4437
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