人権擁護委員
惠濃 裕司(えのう ゆうじ)さん
絵本作家で詩人の葉祥明(ようしょうめい)さんは『生命の法則』という詩の中で、人権について「人権と生きるということは同じこと。自由に生きること、安心して生きること、楽しく生きること」と伝えています。人権の概念を分かりやすく私たちに示しています。
昨今、LGBTQ+(プラス)という言葉にふれる機会が増え、私が所属している人権擁護委員連絡協議会でもこの人権問題について研修を重ねています。研修会では、性的マイノリティ当事者の話を聞くなど差別の現実に学ぶことから始めていますが、当事者や家族には相当の生きづらさがあること、その生きていく上での困難は、現代社会に存在する偏見や差別意識が生み出したこと、人間の性は豊かで多様なことなどを学ぶことができ、私にも認識の変容が見えてきました。
本市ではパートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度が施行され、1年が経過しようとしています。最近、同性カップルの法的保護に肯定的な意見が多くなってきていて、性的マイノリティの権利・保障に向けた議論が進んでいます。私たちは人権というフィルターを通してこの問題を見つめるとともに、当事者やその家族の生きづらさを解消するために理解を深め、全ての人が幸せな人生を歩むことができるよう、世論を形成していくことが大切と思っています。
人の意識の底にある偏見や差別をする心を変えていくものが研修です。研修とは研究と修養のこと。修養とは知識を高め、品性を磨き、自己の人格形成に努めること。この修養の部分を私は大切にしていきたいと思っています。
この4月、多くのこどもたちが夢と希望、そして少しの不安を持って入学、進級していきます。このこどもたちの中にも自分の性に違和感を持っているこどもたちがいるかもしれません。私たちは社会を形成していくものとして、一人ひとりのこどもたちが何の不安やわだかまりもなく、安心して楽しく過ごせるような環境をつくっていかなければならないと思っています。
問合せ:人権啓発教育課啓発教育班
【電話】096-248-2399
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