今月は糖尿病治療の第3弾「インスリン治療」についてお伝えします。
インスリン治療が必要になる理由、高血糖の状態が続くことで、身体に起こる変化を見ていきましょう。
■血糖コントロール不良のとき、臓器はどうなっている?
血糖値が服薬治療でも上手くコントロールできなかった場合、体ではどのようなことが起きているのでしょうか。2枚の写真を比べてみましょう。
上の写真は、すい臓の様子です。赤点はインスリンを、緑色は血管を示しています。すい臓は、インスリン(血糖値を下げるホルモン)を作る臓器ですが、右側の写真は左の写真と比べてどうなっていますか?血管も少なく見えますね。また、赤点が示すインスリンが少ないのが分かります。
〔写真は本紙またはPDF版をご覧ください〕
血糖値が高い状態が続くと、「糖毒性」が起き、血管が傷み、インスリンが作られにくくなってしまいます。個人差はありますが、血糖値が高い人はすい臓が疲弊して、インスリンを作る能力が失われている場合があります。インスリンが作られなくなったらどうなるでしょうか。細胞に栄養を届けることができないので、食べているのに細胞は栄養失調になり、生命にも関わります。このように、すい臓が疲れ切ってインスリンが作られにくくなったときに行われるのがインスリン注射です。
■糖毒性とは?
糖毒性とは、高血糖が続くことで細胞が酸化ストレスや炎症、細胞死にさらされ、結果的にインスリンの分泌が低下したり、効き目が悪くなってしまうことを言います。この糖毒性はすい臓の他にも、次のような臓器へ影響を与えます。
インスリン注射は、すい臓のインスリン生産能力が失われたり、すい臓の負担を減らすために使用されます。インスリンの生産量は60歳を過ぎると20代のころと比べて2/3に減っていきます。インスリン注射をしないでも良いよう、インスリンの無駄遣いにならないような生活を送ることが大切です。また、血管を守るためには、野菜に含まれている抗酸化物質が有効です。次号は、野菜の特徴と抗酸化物質についてお伝えします。
問合せ:健康づくり課 健康推進係
【電話】27-3324
<この記事についてアンケートにご協力ください。>