■犬や猫たちとともに暮らすために
◇宇城保健所管内の状況(令和4年度)
引取数:
・犬…11
・猫…7
捕獲数:
・犬…51
・猫…0
返還:
・犬…17
・猫…0
譲渡:
・犬…42
・猫…4
殺処分:
・犬…0
・猫…0
※県では、平成28年12月以降はやむを得ない安楽殺(3要件のいずれかに該当)を除き、殺処分を実施していません。
【3要件】
・治療が見込めない
・感染症にかかっている
・人や他の動物に危害を与える恐れがある
□アニマルフレンズ熊本の髙本さんと今村さんに動物保護の現状を聞いてきました。
所長 髙本芳寿(よしひさ)さん
職員 今村安孝(やすたか)さん
委託事業者職員 片岡睦(むつき)さん
◇動物を飼うなら最後まで
髙本:動物愛護センターは、愛護啓発や譲渡、保護などの活動の拠点となる施設。開所後、地元の人がよく見学に来られますね。
今後、学校の社会科見学が行えるよう準備を進めています。子どもの頃から「命の大切さ」を知る機会を作ることで、不幸な犬猫が減っていくんだと思います。動物を飼うなら、最後まで面倒を見ることを学び、命の大切さを知ってもらいたい。将来、大人になったときに動物を捨てたり、虐待をする当事者とならないように。今村:私は、今年の3月まで宇城保健所で働いていました。約15年前まで県の殺処分数は全国でワースト5。当時、愛護の拠点は、県内10カ所にある保健所が多岐に渡る業務の中の1つとして担っていました。
しかし、啓発が足りず、たくさんの不幸な犬猫、苦情が保健所に寄せられました。引き取られた犬猫たちは、当時の県動物管理センター(熊本市東区)で保護。収容スペースの関係上、殺処分は避けられない状況でした。
それを変えたきっかけが熊本地震後に掲げた殺処分ゼロ。動物愛護センター設置の必要性が生まれた瞬間でしたね。
◇不幸な犬や猫たち
今村:宇城保健所で保護される犬は年間で約40〜70匹。保護される犬のほとんどが捨てられた犬です。ペットショップで買ったときは子犬でかわいかったが、成長したら大きくなりすぎた、なつかない、吠えてうるさいなど、「こんなはずではなかった。」という理由で捨てられることが多いです。
また、最近では飼い主が高齢となったがゆえに飼育できなくなる、高齢化社会の影響もあります。孤独死により、残されたペットを誰が引き取るか。そのような相談も多く寄せられます。
髙本:多頭飼育も目立ちます。予防接種や不妊手術の実施など適正に飼育されていれば問題ないのですが、それができずに犬猫を何十頭も飼い続け、近隣に迷惑をかけるケースもありますね。
今村:犬は、登録や予防接種などが法律で決められているが、猫にはそのような規制がないです。糞尿や無責任なえさやりなどの苦情は、犬よりも猫が多いですね。
野良猫に餌を与えてしまうと、住みつき、そこで子猫が生まれ増えてしまう。それが、近隣トラブルとなり、動物虐待に発展してしまう最悪のケースがあります。
髙本:地域の中には、ボランティアで猫に餌を与えながら増えないよう、不妊手術を県の補助金などを活用して行っている人もいます。不妊手術を受けた猫は、耳をサクラの花びらのようカットしたさくら猫と呼ばれ、地域でかわいがられているところもあります。
◇安心して暮らせるよう
今村:私は、動物たちを助けるよりも、まず、人を助けるのが大事だと思います。動物のことで飼い主やその関係者が困っていて、その延長線上で犬猫が犠牲になっている。
飼い主やその周辺にいる人、地域住民にどう寄り添えるか。それが、私たちの役割なんだと思います。みんなが動物を家族の一員として、愛情を持って大事に飼ってもらいたい。この愛護センターがなくても動物たちが安心して暮らせる世の中になるといいですね。
■オープニングイベント開催@「アニマルフレンズ熊本」
イベントや体験ブースなどを通して、楽しく動物愛護のことを学びませんか。
日時:5月26日(日)10:00~15:30
◇ステージイベント
・MICAトークandライブ
・くまモンと一緒に動物クイズ大会
・働く犬たちのデモンストレーション
◇体験ブース
・動物ボディandフェイスペイント
・パラコードで首輪作り
◇施設内
・ドックヤードツアー
・動物愛護センターの仕事体験会
※小雨決行、荒天の場合は中止
※日時や内容は予定のため、変更になることがあります。
詳細は、アニマルフレンズ熊本までお問い合わせください。
【電話】27-8115
■Pickup!映画の中で活躍する猫たち
原作コミックス「三日月とネコ」全4巻
(集英社マーガレットコミックス刊)
(C)ウオズミアミ/集英社
※詳しくは本紙7ページをご覧ください。
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