市長をはじめ市幹部職員、学識者がコメンテーターを務めました
1月20日、玉名市役所で市内高校大学を対象とした研究発表会を開催しました。
今回は、そのときの模様をお伝えします。
本市では、さまざまな事業を通じて「若者の声を活かす」取り組みを行ってまいりました。一方で、市内の高校や大学では、素晴らしい活動や探究、研究などが盛んに行われています。こうした若者の学びや体験を発表してもらうことで、これから求められる「こどもまんなか社会」の実現につなげようと今回、合同発表会を初めて開催しました。第1回目に参加したのは、玉名未来づくり研究所参加者と高校3校、九州看護福祉大学リハビリテーション学科の2ゼミの総勢66人。市内高校大学では、多様な学びが行われています。非常に生き生きとした発表内容をご紹介いたします。
■「自分たちの技術で社会に貢献したい」
県立玉名工業高校
玉名工業高校からは3つの発表がありました。
(1)防災かまどベンチ
近年、豪雨災害や地震などが多い中で、どのように災害に立ち向かうか、工業高校生として何ができるのかをテーマとして、ものづくりを通して地域貢献をする取り組みを実践しました。研究テーマは災害に見舞われたときの「食」の課題です。避難所には火を使える場所がなく、満足できる食事が取れずに体調を崩す人が出ると指摘されています。そこで、非常時は「かまど」、通常時は「ベンチ」として機能する「かまどベンチ」を製作しました。初号機は100キロを超える重さだったので、現在その軽量化を研究中。さらに、市防災安全課と連携し、製作したかまどベンチを市の1次避難所に設置する予定になっています。
(2)タイ王国研修台湾研修
その他、選抜された生徒がタイ王国や台湾の企業や学校を訪問した内容が発表されました。海外の同学年の人々と交流したり、異文化に触れたりすることで、自分たちの学びや気付きを得て帰国したとの報告でした。
■「より住みやすい街に」
九州看護福祉大学
九州看護福祉大学からはリハビリテーション学科の大池(おおいけ)ゼミ、吉里(よしざと)ゼミの2ゼミから発表がありました。
(1)玉名市内を歩くことによる身体生理学的応答の検証(大池ゼミ)
市では歩いて楽しく、健康にもつながるウォーカブルなまちづくりを推進しています。そこで大池ゼミでは市内に2つのウォーキングコースを設定。そのコースを歩くことで消費カロリーや呼吸機能等の生理学的反応を捉え、健康増進に適したコースなのかを明らかにしました。今回の被験者は、大学生自身が行ったために、引き続き地域の皆さんの協力で、世代別での研究を続けて行いたいとのことです。ぜひ、研究にご協力ください。
(2)現代の児童における動作発達段階と測定結果との関係
吉里ゼミでは、現在の児童の動作発達段階がどの程度なのかを調べました。対象は市内の学童保育に通う小学1~3年生の児童。保護者の同意の下、走・跳・投を計測しました。結果、昭和60年の新体力テストと比べて「同じまたは低下が見られる」ということでした。今後、動作発達段階の低下が見られる具体的な要因を見つけ出していきたいとのことです。引き続き、地域のご協力をお願いしたいとのことでした。
■「造園の廃棄物でSDGs」
県立北稜高校
「造園の廃棄物を利用したキノコ栽培に関する研究~循環型の環境創造を目指して~」というテーマで、北稜高校造園科の3年生が発表しました。造園科では、日々の学びの中で製作した門松などを撤去する際、廃材が生まれます。この廃材を有効利用できないかと取り組みました。そこで見つけたのが菌床栽培(ヒラタケ)です。まさにSDGs(エスディージーズ)につながる提案でした。これを地域の造園業界と協力し廃棄物を有効活用することで、廃棄物を減少させ、環境に配慮した持続可能な造園の実現を目指したいとの発表でした。
■「人口減少社会の中で自分たちのキャリアを考える」
県立玉名高校
玉名高校からは市と熊本大学が連携して実施したキャリア教育セミナーに参加した生徒の発表がありました。
セミナーでは熊本大学副学長の金岡省吾(かなおかしょうご)教授から人口減少とその影響、地域の変化、そして人口減少下の地域の事業者がいかに現状に立ち向かっているかのレクチャーを受けました。さらに、本市や和歌山県田辺市で行われている事例を学びました。そして、市内事業者のフィールドワークに参加。直接、市内経営者と話し、事業者の気持ちに触れることで、自分たちのキャリアを改めて考え直すきっかけになったようです。
■玉名未来づくり研究所
県立玉名高校本年度の取り組みについて、北稜高校ビジネスマネジメント科の学生が発表しました(※詳しくは広報たまな12月号)。発表内容は、「地域の魅力を伝えるためのバス旅行の提案」「農業の魅力を伝える事業」「若者が欲しいと思える空間を考えるワークショップ」「玉名中央病院跡地の活用」の4つでした。
地域の課題を若者目線で切り取り、具体的な行動に移した発表は、実際の行政課題の解決にも通じるとのコメントをもらいました。
■発表を終えて
藏原(くらはら)市長は「今回皆さんが提案した研究内容は、一緒に出席しておりました各部長とともに、しっかり市政に反映できるよう検討を行ってまいります。このように本市に希望を持ち、そして前向きな提案を頂くことは大変うれしく、今後とも研究活動を続けていただきたい」と話しました。
問合せ:地域振興課
【電話】75-1421
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