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特集 荒尾でがんばる! 若手農家

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熊本県荒尾市

■畑も、未来も切り開く!
年々、少子高齢化が進み、さまざまな分野において担い手の減少が課題となっています。もちろん本市も例外ではありません。しかし、ここ荒尾の地で農家を志した若手農家たちが、美味しい農作物を消費者へ届けようと日々がんばっています。
そこで、今回は市内の若手農家の中から2人をご紹介!苦労はあれど、やりがいに満ちた2人に話を聞きました。

◆夢は観光農園。まずはここから
かなちゃん農園 末崎伽奈(すえざきかな)さん(29歳)

◇人のご縁から繋がったスナップえんどうの栽培
大型のトラクターを慣れたようすで自在に操るのは、「かなちゃん農園」の末崎伽奈(すえざきかな)さん。ビニールハウスでスナップえんどうを育てています。もともと実家が農家で、幼い頃から手伝いをしてきた末崎さん。そこから農業に興味を持ち、農業大学校に進学。卒業後は観光農園に5年間勤めました。
「最初はいちご農園がしたかったのですが、多くの資材が必要ということで断念しました。そんなときにスナップえんどうの部会長さんに栽培をすすめられて、昨年からスナップえんどうの農園を始めました」。もとはスイカ農園だった土地を借り、周囲の協力を得ながら、ビニールハウスの設営や土づくりから始めたそうです。

◇農業は毎回違うから難しい だからこそ収獲の喜びがある
スナップえんどうの栽培は9月から植え付け始め、11月中旬から4月いっぱいで収獲するのが一般的。しかし、昨年はビニールハウスの設営が遅れ、栽培のスケジュールが押してしまったのだとか。さらに、土づくりにも苦労したそうです。
「この農園の赤土は水が溜まりやすく、乾きやすいので、スナップえんどうの栽培には合っていないんです。フカフカの土にしないと根が張りにくいので、少しずつ土を改良して環境を整えています。だから今年はもっとちゃんと収獲できるんじゃないかな。農業の作業は同じことをしているようで、実は一つとして同じものがないんです」と末崎さん。そんな難しさを乗り越えて、しっかりと作物が成長してくれたときは喜びも大きいそうです。
末崎さんの将来の夢は観光農園をオープンすること。「志は高く、かつ計画を綿密に立てて進めていきたいです。そのためにもまずはこの『かなちゃん農園』で、スナップえんどうをしっかり育てていきたいです」と語ってくれました。末崎さんの観光農園で交流人口が増え、この地が賑わう未来もそう遠くないかもしれません。

◆農地を広げて、もっとたくさん育てたい
西嶋農園 西嶋隼人(にしじまはやと)さん(27歳)

◇家族の手も借りながら自らの農業をスタート
青空の下、一面に広がる青々とした畑。ここで茄子を育てているのが、農家の西嶋隼人(にしじまはやと)さんです。4月から10月の間に茄子を、12月から3月の間にキャベツを栽培し、ほかにも複数の作物を育てています。実家が農家だったこともあり、幼い頃から農業に親しみ、高校生からは本格的に農業を志し、農業大学校を卒業後、実家とは別に自分名義で田畑を借り、農家としての歩みをスタートさせました。
「8月は茄子の収穫の最盛期。茄子が70本ほど入る箱が、1日50箱くらいにもなります。とても自分一人では終わらないので、家族にも手伝ってもらいますね」と西嶋さん。茄子の苗の植え付けは1シーズン630本ほどにもなり、これは西嶋さんが一人で行うそうです。茄子の木を理想的なカタチで発育させるために、紐を使って矯正したり、葉を切り落として日光が当たるようにしたりと、細かな作業が必要になってきます。

◇災害や情勢の影響も人とともに乗り越える
肉体的にハードな作業も含め、農業ならではの苦労もあるそう。「4年前は8月の大雨で川が氾濫し、野菜が浸かってしまい廃棄しました。農業は自然災害に大きく左右されます。コロナ禍は、飲食店が閉まったため野菜が売れず、1箱100円を切ることもあり心が折れました。それでも農業を続けるのは、収獲の喜びが大きいから。地域の人や消費者から『美味しかった』と言ってもらえると嬉しいですね」。
そして、同じく農業をしている先輩や仲間の存在も大きいのだとか。「僕は荒尾地区の農業青年クラブ『4Hクラブ』で会長をしています。そこでは自分と同じ若手農家と情報交換したり、市役所やショッピングモールで農作物の販売会もしています。農業をするうえで、人とのつながりは大切ですね」という西嶋さん。今の目標は、体力があるうちに農地面積を増やし、より多くの作物を育てることだと語ってくれました。

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