~互いの人権を尊重し、支え合うことから~
部落差別のない社会を実現するために(1)
1.熊本県人権教育研究大会に参加して
10月21・22日の両日、第51回熊本県人権教育研究大会が、益城町総合体育館をメイン会場に上益城郡内5町村の各会場で開催されました。本大会は、「部落問題の解決を柱とした人権確立の教育の実現をめざす」という目的で毎年開催され、今回、18分科会で、幼保小中高の先生方をはじめ61名のレポーターから報告があり、2,000人を超える参加者と共に研究協議が行われました。本町からも、高森保育園から、細やかな取組によりたくましく成長する子どもたちの姿を報告していただきました。
各分科会では、報告者から、子どもたちのくらしに根ざした事実と実践に基づく取組が紹介され、部落差別をはじめ様々な差別問題に負けない教育・保育のあり方について論議がなされました。今回、私が参加した分科会では、差別される側に立たされていた子どもが、自分に対する親の思いや願いを知ることで、差別に負けない生き方と誇りを取り戻していく取組や、学級の子どもたちがそれぞれに持つきつい思いを語り合い、互いにその思いを重ね合うことで、「いじめや差別を許さない学級集団」として繋がっていく取組が報告されました。私にとっては、人権意識の向上と人権教育の推進に向けて新たな視点を得ることができ、改めて「学ぶこと」の大切さを実感した研修会でした。
2.身の回りの人権問題を正しく知ることから
差別は、科学的な根拠のない話や噂などを安易に受け入れたり、物事を一面的にしか捉えずによく確かめようとしなかったり、自分自身で考え、判断しなかったりする態度から生まれます。思い込みや偏見をなくすには、生活の様々な場面において、物事を正しく捉えようとする意識、相手の立場や気持ちを分かろうとする姿勢、物事を表面的に捉えずに深く掘り下げる考え方を持つことが大切です。
2023年も残り1か月、一年の締めくくりの月となりました。私たち一人一人が、「自分の人権を守るとともに他者の人権を守る」という責任ある行動をとることで、「互いの人権を尊重し、支え合いながら人にやさしいまちの実現」をめざしていきたいものです。
問合せ:高森町教育委員会 地域人権教育指導員
【電話】0967-62-0227
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