◆スポーツを通じたウェルビーイングの実現
今年の市長新春対談は、横浜マリノス株式会社の中山昭宏代表取締役社長をお迎えしました。「する」「みる」「つながる」といった、サッカーをはじめとするスポーツの多様な側面を踏まえつつ、地域におけるスポーツの幅広い役割などについて語り合っていただきました。
◇サッカーへの思い
古谷田:中山さんは高校時代にサッカーを始められたということですが、何かきっかけはあったのでしょうか。
中山:中学時代、お正月に全国高校サッカー選手権大会を見て、それが一つの大きなきっかけになりました。都立石神井高校でサッカーを本格的に始めたのですが、当時は新入部員が70人近くいたんですね。その中で、私のような初心者は本当に片手くらいしかいなくて、いきなり周りに追いつけ、という状態からサッカーを始めました。けれど、レベルの高いサッカー環境の中で始められたというのは、私にとって非常によかったかなと思っています。
古谷田:私は小学生のときに地元の大野原FCでサッカーを始め、高校は大和南高校のサッカー部で、やっぱり人数も一学年、23人ぐらいいましたかね。その当時は子どもが多かったから、そのくらいいました。中山さんは大学に入ってもサッカーを続けようという、最初からそういうお気持ちだったのですか。
中山:そうですね、サッカーをやめるきっかけがなかったです。もちろん続けていこうという気持ちもありました。大学で主将をやるという経験も積ませてもらいながら、就職先を選ぶときもサッカーというキーワードがありまして、結果的に日産自動車へ。私、車も好きな人間ですので。当時の日産自動車にはサッカー部、今の横浜F・マリノスの前身がありましたので、そういうのもあって、日産自動車に入りました。
古谷田:好きなことを突き詰めていったらその道になったという感じですよね。
中山:そうですね。やりたいことをずっと諦めずにやっていったからそうなったと思います。
古谷田:Jリーグが開幕したときはもう社会人でしたか。
中山:はい、そうですね。社会人になって2年目にJリーグが始まりまして。
古谷田:あの開幕をごらんになってどんなお気持ちでしたか。
中山:開幕はマリノス対ヴェルディの試合だったのですが、抽選で当たって私は会場にいました。たぶん皆さん同じことをお話しされると思いますが、サッカー好きな人にとっては歴史的なことだったので、今でも鮮明に覚えています。
古谷田:感無量でしたね。Jリーグ元年というのは、サッカーをずっと小さい頃からやっていた者にとっては、非常にうれしくて。かつては、いわゆるサッカー人気が低かった時期もありましたが、今ではあれだけのファン・サポーターが盛り上がって、喜ばしく思っています。
◇「する」スポーツの役割
古谷田:私は市長になる前は市議会議員を3期12年やっていたのですが、そのときからスポーツを中心に健康を推進するという切り口で活動してきました。子どもから高齢のかたまで、やはり健康の観点からもスポーツをすることが非常に重要だと思っています。特に私は、幼少期の子どもが、スポーツを通じて身体を動かすことの喜びや楽しさを感じてもらえるようにしていきたいと思っています。子どものスポーツ推進は、ゴールデンエイジ期と言われる期間を含む12歳までの子どもたちの神経の発達に有効なので、大和市の政策としてもやっていきたいと思っています。
中山:横浜F・マリノスでは、「この街が、「100年先」も、「夢」と「幸せ」に溢れる街であるために。」との理念の下、「する」スポーツとして大和市内でスクールを開校しています。もちろんお子さん向けのスクールもありますけれど、同時に女性向けのウーマンサッカーですとか、男性も含めた大人サッカースクールも実施しています。
古谷田:大人になると、自分も今そうなんですけれど、生活習慣が非常に重要になってきます。身体を動かすことの楽しさを幼少期から知っていれば、身体を動かしてダイエットをするとか、生活習慣の改善にもつながっていくので、私は子どもの頃からスポーツの楽しみや、喜びというものを感じてもらいたいと思っています。中山さんは最近はスポーツはいかがですか。
中山:やっていると言っていいのかというほどですが、サッカーを会社のメンバーとやるようにしています。
古谷田:皆さん上手なんですよね。
中山:そうですね。みんなうまいです。あとは選手上がりのコーチとか。一緒にまともにやると大変なことになります(笑)。
古谷田:中山さんにとってスポーツは、生涯を通じて身近にあるんですね。
中山:そうですね。先ほどゴールデンエイジの話をちょっとされましたが、おっしゃる通りで、やはりその年代の子どもに何かスポーツによるきっかけをどれだけ与えられるかというところは大事だと思います。また、全世代にという意味ですと、先ほど女性、大人のサッカーの話もしましたが、それ以外にも、たとえば三世代サッカー教室を開催したり、60歳以上のかたを対象としてウオーキングサッカー、いわゆる走らないサッカー、というのをやらせていただいたりしています。今後も、さまざまなお客様層に対して何らかの形で横浜F・マリノスとしてのサッカーというものを提供していきたいと考えています。
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