市では、今年10月から小・中学生の保護者に設けていた小児医療費助成の所得制限を廃止しました。また、今年度から新生児聴覚スクリーニング検査の補助が開始され、さらに3歳児健診に眼の屈折検査が追加されました。より手厚くなったサポートについて、横田小児科(北ノ窪)の横田俊一郎院長に話を聞きました。
《変わる。小児医療の現場》
小児医療はかつて、生まれてすぐの子どもたちの命を守ることが重要でした。しかし、ワクチンや医療技術の発達により、昨今では小児医療も健康や子育ての充実といったことに重きを置くようになりました。
小田原市では、10月から小児医療費助成の所得制限が廃止され、全ての子どもが同じように、安心して医療を受けられるようになりました。他にも、新生児聴覚検査費用の一部助成や3歳児健診時における眼の屈折検査が導入されるなど、子育て世帯にとってはうれしい傾向ですね。
《最新技術で早期発見!》
乳幼児は、大人と違い意思表示がうまくできないので、聴覚や視覚の異常が見つけづらいものです。これまでの聴覚と視覚の検査は、音を出したり絵本を見せたりして、その反応を確認していましたが、最新の技術では科学的に異常を確認することができます。
新生児期に行う「聴覚スクリーニング検査」は、小さな音を聞かせ、その反応を脳波で調べることで異常を発見するものです。また、3歳児健診で行う「眼の屈折検査」は、スポットビジョンスクリーナーという機器を使い、近視・乱視・遠視などを調べるものです。
乳幼児期に難聴があると言葉の発達に影響しますし、視力が発達するのは小学校に上がる頃までです。いずれも、早く症状を発見できれば、音声言語の発達への影響を最小限に抑えたり、見る力を養うことができたりします。こうした最新技術などにより病気を早期に発見できる上、健康状態や育児の悩みを相談できる定期健診は、家族が健康でいられる大切なものですので、最大限に活用してください。
《最初のかかりつけ医》
小児科医の私たちは、お子さんたちの辛い症状や家族の不安を取り除き、健康で楽しい生活を送ってもらいたいと願っています。最近では医療についてだけでなく、離乳食や幼稚園、保育園のことなども相談される機会が増えました。お子さんにとって最初のかかりつけのお医者さんですから、病気のことに限らず、不安なことがあったら、なんでも相談してください。
●[定期健診受診者の声] 「大丈夫」の言葉に安心
二人目の4カ月児健診を受けた熊澤さんご夫婦。「一人目の時は本当に不安で、健診で『大丈夫ですよ』『異常はないですよ』と言われると安心しました」と茜(あかね)さん。「先生は親身に話を聞いてくれるし、父親の話も聞こうとしてくれるのがうれしい」と亮祐(りょうすけ)さん。茜さんは「最近になって夫が会社で育休を取れるようになったので、協力体制があると次も…と思えるようになるかもしれませんね」と続けます。
また、新生児の聴覚検査はお子さん二人とも受診されたそうです。「少しでも早く異常が分かって、対処ができるならと思って検査を受けました」「上の子の時にはありませんでしたが、今年から助成が始まり、負担が減るのもうれしいです」とご夫婦そろって笑顔で話してくれました。
【WEB ID】P14159
問い合わせ:子ども若者支援課
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