文字サイズ
自治体の皆さまへ

所信表明「誰もが笑顔で暮らせる、愛すべきふるさと小田原」に向けて

2/26

神奈川県小田原市

《プロフィール第24代小田原市長 加藤憲一》
市立芦子小学校、市立城山中学校、県立小田原高等学校、京都大学法学部卒。経営戦略コンサルティング会社、民間教育団体、農業などを経て、平成20年に第20代小田原市長に就任し3期務めた。
令和2年に市長退任後は、自給農をベースに、耕作放棄地を開拓してのワイン用のブドウや有機レモンの栽培、大学などでの講師、広域でのネットワークづくりなどに取り組む。

◆市政に誠実、信頼、そして希望を取り戻す
多くの市民の皆さんから信任をいただき、第24代小田原市長に就任しました。改めて、市長としての責務を重く受け止め、課題に果敢に挑み、市民の皆さん、議員の皆さんと共に小田原市の輝かしい未来に向け、市政運営にまい進していく所存です。

今回の市長選挙は、前回に比べ投票率が伸びており、市民の皆さんの関心の高さがうかがえました。こうした中、過半の得票をいただけたことは「市民の視点に立った市政の立て直しを進めてほしい」という民意の表れだと受け止めております。今後、組織体制を整備しつつ、さまざまな検証を行いながら、良いものは継承し、課題のあるものはしっかりと改めるといったスタンスで、取り組んでまいりたいと考えております。そして、やりがいと誇りを大事にする市役所の組織風土を再構築し、市民の皆さんの幸せにつなげてまいります。

私が今回の市長選挙を通じて一貫して市民の皆さんに訴えてきたことは、命と暮らしを最優先に市政を立て直し、市政に誠実、信頼、そして希望を取り戻していくということです。今、我が国、そして地域社会は、人口減少、少子高齢化、地域コミュニティの弱まり、社会インフラの一斉の老朽化、貧困や社会格差の拡大といった厳しい状況に置かれています。私たちは、こうした課題群から目をそらすことなく、直面する幾つもの喫緊の課題を乗り越えながら、地域の可能性を育て、持続可能な小田原へ向けて市政の進化を果たし、確かな未来への道筋をつけていかなければなりません。

多彩な地域資源や豊富な人材など、国内でもまれに見る素晴らしい可能性に満ちた小田原。その持てる力を最大限に引き出し、育て、そして分かち合うことで「誰もが笑顔で暮らせる、愛すべきふるさと小田原」さらには「いのちを守り育てる地域自給圏の創造」の実現を目指すことを、まちづくりの大方針に掲げております。その具現化に向けては、今後さまざまな調整が必要になってきますが、小田原の可能性と人の力を信じて、任期中における職務を全うし、市政運営に取り組んでまいります。

◆実現を目指す、小田原の3つの姿
地域での支え合いを大切に生涯安心して暮らすことができ、子どもを産み育てる環境をしっかりと整えていく「いのちを大切にする小田原」を政策の基盤に位置付け、その上に、3つの都市像の実現を目指したまちづくりを進めていきます。

《1 自然環境の恵みがあふれるまち》
森里川海オールインワンの豊かで多彩な自然環境が身近に存在しているのは、小田原の大きな魅力であり、この価値ある自然環境を守り、未来へと豊かな状態で引き継いでいくことは、私たちの重要な使命です。食やエネルギーなど命を支える要素、子どもを取り巻く良好な成育環境、日々の暮らしにおける安心や快適さを私たちに与え、都市ブランドを高めることにもつながる自然環境の恵みを、より豊かに育て、持続可能な地域社会の充実へと多角的に生かしていきます。

自然環境という最も基礎的な社会共通の資本の充実は、人的資本と知識産業の集積をもたらし、新たな文化を育てる土壌となっていきます。

《2 未来を拓(ひら)く人が育ち生きるまち》
地域課題山積の時代にあって、地域社会の命運を握るのは、それらを乗り越えていけるだけの力を持つ人が育ち、活躍することで、持続可能なまちを創造できるかということです。それは、子どもたちが地域の中で健やかに育ち、分かち合いの心と課題解決への知恵や力を培うこと、若者が社会の運営に意欲的に参画すること、年齢を問わず自主学習や社会教育が活発化することでもあります。

このように、小田原の人的資本を充実させ、協働を進め、それぞれの世代で未来を支える見識と意識を持つ人材が育つことにより、企業活動の活性化や新たな集積による地域経済の再生にも帰結していきます。

《3 多彩な資源が健やかに花開くまち》
多彩な自然環境、長い歴史を経て蓄積された産業や文化、活発な市民活動、強い絆を受け継いできた地域コミュニティなど、小田原には他都市にはない多様さで地域資源が集積しています。豊かであるが故に生かしきれていないそれらの資源を十全に生かし、つなぐことで、地域社会の持続可能性を確かなものにすることが可能となります。

農林水産業やものづくりの現場、歴史や文化、自然環境など、小田原の地域資源の「光」の強化による交流人口・関係人口の拡大、地域資源の厚みを生かした経済活動の充実と産業の育成、そして域内経済循環の拡大という好循環を確立していきます。それは、支え合い分かち合う地域社会の強靭化(きょうじんか)にもつながっていきます。

◆二宮尊徳先生の教え
ここに暮らし、ここに生きて、ここで働いて、日々さまざまな課題や不安を抱えている市民の皆さんが、安心して暮らせる。「このまちに住んで、このまちで子どもを育てて本当に良かった、子どもたちや孫たちにもこのまちで住み続けてほしい」そう思える小田原、市民が誇れるまち・小田原を目指してまいります。

「誰もが笑顔で暮らせる、愛すべきふるさと小田原~いのちを守り育てる地域自給圏の創造~」の実現に向けて、私たちが直面しているさまざまな困難を乗り越えていかなければなりません。そのためには、小田原の有する自然、人、地域、産業、文化といった力を結集させ、その力を最大限に引き出すとともに、それらを支え推進する行政が、誠実に市民の皆さんと向き合うことで、信頼関係を築くとともに、二宮尊徳先生の教えである「推譲」の精神を実践し、「一円融合」の心を持つことが重要です。

私は、人の力を信じています。市長として全身全霊で、課題解決の先頭に立ち、持てる力の全てを燃焼し尽くす覚悟です。現代社会の危機的な状況を踏み越え、市民の誰もが安心し、そして誇りと希望を持って暮らすことのできる未来へと続く道を、共に拓いてまいりましょう。

◆市長の日記
日々の活動を市ホームページでつづっています。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU