文字サイズ
自治体の皆さまへ

小田原動物園ー73年の物語

4/26

神奈川県小田原市

令和5年12月、長年にわたり、市民や観光客に親しまれた小田原城址公園内の小田原動物園が、73年の歴史に幕を閉じました。
多くの人に愛された小田原動物園の歴史を振り返ります。

昭和25年、市制10周年を記念して「小田原こども文化博覧会」が開催され、それと同時に開園した小田原動物園。多くの人から愛されたインドゾウのウメ子をはじめ、最盛期の平成初期には、哺乳類・鳥類約70種330点にも及ぶ動物が展示され、小田原城を訪れる人たちを笑顔にしました。また、繁殖や野生動物の緊急保護など、種の保存にも貢献しました。
一方で、昭和34年に本丸跡が国指定史跡となり、翌年には、天守閣が再建されるなど、城跡の整備が進んだことによって、平成17年から動物園は縮小し、動物たちは次々と全国の動物園に引き取られていきました。最後に残ったニホンザルが、令和5年12月に茨城県の「東筑波ユートピア」に引き取られ、小田原動物園は閉園となりました。
惜しまれつつも閉園した小田原動物園の歴史を振り返る特別展「お城に動物園があった―小田原動物園の26738日」を小田原城天守閣で開催しますので、ぜひご来場ください。

〈昭和25年 1950年〉
小田原動物園開園
インドゾウ(ウメ子)他、入園

〈昭和26年 1951年〉
県知事寄贈のヒグマが入園

〈昭和34年 1959年〉
本丸跡が国指定史跡となる

〈昭和35年 1960年〉
小田原城天守閣復興

〈昭和38年 1963年〉
オオヅルの繁殖で日本動物園水族館協会技術研究表彰を受ける

〈昭和47年 1972年〉
上野動物園よりニッポンツキノワグマ2頭が入園

〈昭和51年 1976年〉
多摩動物公園よりニホンザル5頭が入園

〈昭和53年 1978年〉
多摩動物公園よりライオン1頭が入園

〈平成8年 1996年〉
本丸動物ゾーンの整備、鳥舎などを新築、周辺を舗装

〈平成9年 1997年〉
上野動物園よりハゲガオホウカンチョウなどが入園

〈平成19年 2007年〉
ウメ子(当時推定60歳)の還暦を祝う会を行う

〈平成21年 2009年〉
ウメ子(当時推定62歳)、息を引き取る。在園59年

〈令和5年 2023年〉
ニホンザルお別れ会開催(東筑波ユートピアに譲渡)

〈2023年〉
小田原動物園閉園

◆小田原動物園のシンボル 大人気だったウメ子
昭和25年の「小田原こども文化博覧会」開催時に、タイから小田原に来たゾウのウメ子。平成21年、当時、国内最高齢の62歳で息を引き取るまで、小田原動物園のシンボルとして、多くの市民や観光客に親しまれました。

◆UMECOはウメ子
小田原駅前にある市民交流センターの愛称UMECO(うめこ)。平成27年のオープン時に市民から愛称を募集し、「ウメ子のように長く愛されるように」と「ウメ子」の名が付けられました。ロゴのデザインもウメ子がモチーフとなるなど、多くの人に愛されたウメ子は、今もなお市民のシンボルとして生き続けています。

◆約30年にわたり小田原動物園を見守り続けた飼育員
〈元飼育員 蔦 野宗一(つたの そういち)〉
小学校の卒業文集に記した夢がかない、飼育員として働くことができた30年間は幸せでした。思い出は尽きませんが、私たちにとっても特別な存在だったウメ子のお別れ会に、8千人もが献花に訪れてくれたことは印象深いですね。サル舎の跡地に今も残る排水溝を眺めると少し寂しいですが、餌の準備を始めると敏感に反応するサルたちと過ごした日々を懐かしく思い出しています。

〈元飼育員 諸星 典央(もろほし のりお)〉
小田原動物園は担当制ではなかったので、飼育員全員で協力して、鳥類から猛獣まであらゆる動物の世話をしました。
ある日、ツキノワグマが壁に体をこすりつけていたので、竹ぼうきでかいてあげたところ、それが心地良かったようで、その日以来、自分からおねだりするようになりました。飼育員になった時、既に成獣であったこともあり、最初は警戒されていたので、懐いてくれたことがうれしかったですね。

小田原動物園がにぎわった平成初期頃の園内マップ
※詳しくは本紙をご覧ください。

◆令和6年度小田原城天守閣特別展
「お城に動物園があった―小田原動物園の26738日」
小田原動物園について、写真や関係資料などからこれまでの歴史や実績などを紹介します。

期間:9月7日土曜日~11月4日祝日 午前9時~午後5時
※9月28日~10月20日の土・日曜日、祝日は午後6時まで開館
※最終入館は閉館の30分前
場所:小田原城天守閣4階企画展示室
入館料:大人510円、小・中学生200円

《さらに!学芸員・飼育員による展示解説も!》
日時:9月18日水曜日、10月2日水曜日・23日水曜日 各日午後4時から30分程度
定員:10人程度(申込不要)
※参加費無料(要入館料)

《多くの人に展示を見てもらうため、出張展示も!》
日時:9月14日土曜日~27日金曜日 午前9時~午後9時
※17日火曜日休館。27日金曜日の展示は午後1時まで
場所:三の丸ホールギャラリー回廊1階 入館料 無料

◆ウメ子の記念メダル復刻!
ウメ子の死後、販売を中止していた記念メダルを展覧会に合わせて期間限定で復刻します。
期間:8月1日木曜日~11月4日祝日 午前9時~午後5時
場所:本丸広場売店
価格:1個200円

問い合わせ:小田原城総合管理事務所
【電話】0465-23-1373

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU