海、港、緑、歴史、地域、人々、さまざまな魅力を持つ都市横浜。この街の彩りを「よこはま彩発見」としてお届けします。
今回は国指定名勝の三溪園(中区)からです。
■「古くて新しい、日本文化のワンダーランド」
公益財団法人 三溪園保勝会
学芸員 中村 暢子
三溪園ってどんな場所?と聞かれたら、一義的には「庭園です」と答えるでしょう。しかしそれだけでは不十分。横浜スタジアム約5個分の敷地面積には、創設者が「私有すべきではない」とした景色が広がっています。
この庭を造ったのは、原三溪(本名:富太郎1868年-1939年)、生糸貿易で財を成した実業家です。先代から受け継いだ本牧の地に、京都や鎌倉などから古建築を移築し各所に配置。梅や菖蒲などの草木を植え、渓流を配し、四季折々に美しい庭を造り上げました。「三之谷」という谷あいの地形を巧みに生かして造られた景観は、茶の湯や美術にも親しんだ三溪のセンスそのものとも言えます。
約100年前に完成したこの庭は、古いものでは室町時代の建物を愛でることができる特別な空間。17棟の古建築のうち10棟は重要文化財、庭園そのものが国の名勝にも指定されている三溪園は、毎日が特別展開催中といっても過言ではありません。
ときには港町から足を延ばしてタイムスリップ。三溪が「三溪園の神髄」と称した内苑は、11月頃から銀杏や紅葉が色づき、華やかな季節を迎えます。
さらに詳しい話はウェブページをご覧ください。
◇三溪園(有料)
交通:「横浜」・「桜木町」・「元町・中華街」各駅からバスに乗り「三溪園入口」下車、徒歩5分。または、「根岸」駅からバスに乗り「本牧」で下車し、徒歩10分。駐車場(有料)もあり。
休園日:12月26日~31日
詳しくはウェブページをご覧ください。
問合せ:三溪園保勝会
【電話】045-621-0634【FAX】045-621-6343
<この記事についてアンケートにご協力ください。>