■笑顔が生まれるオレンジカフェ
認知症支援のシンボルカラーであるオレンジ色にちなんだ「オレンジカフェ(認知症カフェ)」。認知症の人や家族、認知症に関心のある人など、誰もが集える地域の支え合いの場として、さまざまな支援者が関わっています。
◆本人も家族も心地良く過ごせる居場所
「サポーターとして応援」
認知症サポーター 松野則子さん(逗子)
母が認知症で、19年間介護を経験しました。その間にオレンジカフェがスタートし、母を連れてよく参加していました。自宅では一切やらなくなったことがカフェではできて、そんな母の姿を見られることがうれしかったです。細かいことはすぐに忘れてしまうし、何でも拒否する症状が強かったのですが、会場の建物を見ると「ここは行くわ」とすんなり入っていました。何を言っても怒る人がいなくて、居心地が良かったのでしょう。
また、認知症介護者のための逗子家族会にも参加。同じ境遇の人と同じ悩みを分かち合ったとき、“自分だけではない”と重たかった気持ちがすっと軽くなりました。認知症サポーター養成講座を受講し、母が亡くなった今も、カフェや家族会にサポーターとして参加しています。
認知症になると周りはできなくなったことを数えがちです。「できることもまだある」と、本人にも家族にも思ってもらえる場所であり続けられるよう、今後も応援していきたいです。
◆お互い支え合うことのすばらしさを実感
「行き帰りをサポート」
送迎ボランティア 酒井 昌さん(逗子)
以前から、地域で何か活動できることはないかと思っていました。そんな折、送迎ボランティア講座の募集を見掛け、車の運転が好きだったこともあり受講しました。現在は、オレンジカフェ参加者の送迎を担当しています。送迎時のおしゃべりで知らなかったことを教えてもらったり、皆さんから笑顔で「ありがとう」と言ってもらえたり、こちらが受け取っているものもたくさんあります。この活動が自分の居場所にもなっていて、まさに地域の支え合いだなと実感しています。
◆認知症マフで穏やかな気持ちと時間を
「認知症マフを届ける」
認知症マフ作家 石橋昌子さん(沼間)
認知症マフは毛糸で編まれた筒状のニットで、内側に縫い付けてあるリボンやボタンを触ることで、認知症の人が安心感を得られるものです。認知症の人や家族の役に立ちたいと思っていたときに認知症マフを新聞で知り、展示会や資料を参考に、編み物初心者の私でも作れるようになりました。たくさんの人が穏やかな時間を過ごせればと、オレンジカフェでマフを一緒に作る活動を始めたところです。この活動を通して、温かい支援の輪が広がっていけばうれしいです。
◆認知症支援活動補助金
認知症の人やその家族などを支援するオレンジカフェなどの活動、認知症への正しい理解を促進する活動などに対して、補助金を交付しています。
交付額:上限36,000円
対象:市内在住・在勤・在学の3人以上で構成し、行政などから補助金を受けていない団体
問合せ:社会福祉課
ID:1009879
◆認知症サポーター養成講座
認知症の症状や認知症の人への接し方などを学ぶ講座です。希望する場合は問い合わせてください。
対象:自治会、サロンなど地域の団体
問合せ:各地域包括支援センター
◆行ってみようオレンジカフェ
▽東逗子オレンジカフェ「あつま~る」
日時:毎月第4(火)13:30~15:30
場所:県営逗子桜山ハイツ集会所ほか
費用等:200円
申込・問合せ:東部地域包括支援センター
【電話】046-876-6299
▽おれんじカフェずし
日時:毎週(金)14:00~16:00
場所:逗子4丁目空き家カフェ
費用等:100円
申込・問合せ:中部地域包括支援センター
【電話】046-872-2480
▽りらっくすの会
不定期開催。日時は問い合わせてください。
場所:小坪コミセン
申込・問合せ:西部地域包括支援センター
【電話】046-876-5451
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