今年の元日に起きた能登半島地震。現地では甚大な被害がありました。全国どこでも、いつ起きてもおかしくない大規模地震。避難生活への備えなど、改めて防災について見直しましょう。
■いざというときに困らないために日頃の生活に防災を取り入れよう
逗子防災士の会に所属し、市内でイベントや防災教育などの活動を行う井ノ上さん。能登半島地震被災地の状況や日頃の備えのポイントについてお聞きしました。
◆Interview
防災士 井ノ上敦也さん(久木)
▽実際の災害から学ぶ、“被災後も続く生活”
能登半島地震の被災地支援で、石川県七尾市に2回訪れました。1回目は避難所運営支援、2回目は家屋から災害ごみの運び出しと運搬を。避難所では、届いた物資を種類ごとに仕分け、避難者が希望するものを持ち出しやすいように動線を工夫しました。災害ごみの片付けは、雨や雪でぬれた障子やふすまを外に出したり、屋根から落ちて割れた瓦を集めたり。災害ごみは分別しないと集積所で受け入れてもらえないので、その仕分けも大変な作業でした。
過酷な状況の中で、被災した人の生活は続きます。実際の災害から学べることはたくさんあるので、メディアの報道が減っても自分から情報を得るなどして、いざというときの備えに生かしてほしいです。
■日常生活に必要なものを3つのステップで備えよう
非常時持ち出し袋に入れるものや自宅の備蓄品について、備えは3つのステップで準備するのがおすすめです。
1つ目は「借りられないもの」。眼鏡やコンタクトレンズ、処方薬など、個人に合わせたものは人から借りられません。必ず備えて、普段から持ち歩いてほしいです。
2つ目は、「非常時持ち出し袋」として、1泊2日の旅行に持っていくもの+非常時持ち出し品を。1泊2日の量を目安にした衣類や乳幼児グッズなど、自分や家族が旅行に持っていくときに必要なものを準備。それに、右のリストのような非常時持ち出し品を加えていきます。両手が空くリュックに入れて、リビングや寝室など長く過ごす部屋に置いておきましょう。
3つ目は「日常生活を継続できるもの」=自宅に備蓄しておくもの。日頃から使うものを多めにストックし、ライフラインが止まっても7日間は過ごせるようにしておくのが望ましいです。
◆非常時持ち出し品リスト
・携帯ラジオ
・携帯トイレ
・照明器具…懐中電灯やランタン、ヘッドライトなど
・救急・衛生用品…応急処置セット、除菌用品、マスク、生理用品など
・道具類…紙皿、割り箸、ロープなど
・現金・貴重品
・防寒着、レインウェア、軍手など
・飲料水・非常食
「非常時持ち出し袋は、実際に背負って避難所まで歩いてみよう」
◆Pick up
非常時持ち出し袋に入れておきたい おすすめの防災アイテム
▽モバイルバッテリー
情報収集に欠かせないスマートフォンの充電用に。太陽光で充電できるソーラー充電器なら停電時も安心です。
▽ヘッドライト
頭に装着するので、移動や作業時に両手を使えます。首掛けタイプのネックライトも便利です。
▽アルミシート
保温性が高い薄手のシートで、体を包めば熱を逃がしません。防水性にも優れています。
◆正しい情報と地域を知って、皆で助け合えるように
今の時代、WEBで情報収集しやすいとはいえ、災害時はSNS上での偽情報・誤情報には注意が必要です。市からのお知らせをメールやLINEで受け取れるようにしておく、信頼性の高い防災アプリを入れるなどして、正しい情報を得られるようにしておきましょう。
また、海と山に面した逗子は、津波やがけ崩れにも注意が必要です。ハザードマップで事前確認しておくほか、市や地域団体が開催する防災訓練やイベントにもぜひ参加を。地域の状況を知るだけではなく、近隣の人ともつながりを持てるようになります。いざというときは、皆で助け合いながら困難を乗り越えていきましょう。
▽市からの防災情報
・防災・防犯メール
登録したアドレスに、防災情報をメール配信します。
・公式LINEアカウント
日頃の行政情報に加えて、緊急時は防災情報を配信。
・市のハザードマップ
津波と土砂災害等の2種類あります。事前に確認を。
問い合わせ先:防災安全課
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