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JCHO-Column

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福井県勝山市

■高血圧について
福井勝山総合病院
総合内科部長 鈴木将智

世界では毎年1000万人以上の方が高血圧に関連した疾患で亡くなっており、公衆衛生上の大きな問題のひとつです。日本では血圧が脳卒中の発症に最も大きく関連し、高血圧の治療は脳卒中の発症予防のためでもあります(当然、心疾患や腎不全など他の病気にも多大な影響を与えています)。
高血圧の基準値は、病院で測る血圧(診察室血圧)で140/90mmHg以上、自宅で測る血圧(家庭血圧)で135/85mmHg以上となっており、病院に来ると血圧が高くなりやすいことから、自宅での血圧は病院で測る血圧より低めに設定されています。
高血圧の治療の基本は生活習慣の改善です。特に食習慣については「塩分の摂り過ぎに注意」とよく言われます。塩分の過剰摂取は体液の増加につながり、血圧を上げる方向に働くためです。アマゾン奥地に住むヤノマミ族は塩分摂取量が極端に少ないため高血圧患者は一人もいないと言われています。それと対照的なのが我々日本人で、1日当たりの平均塩分摂取量が10gを超え、日本人の約1/3が高血圧といわれています。1日の塩分摂取量を6gまで減らすことで、高血圧やそれを原因とする脳卒中、心疾患などを大幅に減らせるとされていますが、目標達成にはまだほど遠い状況です。高血圧を発症した方が1日6gの減塩食にすることで、約5mmHgの血圧低下が期待されます。
食事からの塩分を減らすため、インスタント食品やファストフード、スナック菓子などの高塩分食品は避けましょう。減塩タイプの調味料を使いましょう。香辛料や出汁を効かせ、レモンや酢を積極的に使うことで塩分を減らすことができます。また、醤油やソースは直接かけずに別皿を用意してつけて食べることで減塩につながります。うどんやラーメンの汁は必ず残すようにしましょう。自分の塩分摂取量を知りたい場合には、尿検査で手軽に推定することもできます。特に高血圧の方は食生活を見直すために検査を強くお勧めします。

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