福井市は、東京2020オリンピック・パラリンピックにおけるホストタウン交流以来、スロベニア共和国との間でさまざまな交流を深めてきました。特に、スロベニア共和国の代表的な都市の一つであるクラン市との教育分野を中心とした都市間交流を進めてきており、今年4月にはクラン市長らが福井市を訪問、7月には福井市長らがクラン市へ足を運び、両市のさらなる交流発展に向けた動きを加速させました。今回の特集では、来年度に予定しているクラン市との「姉妹都市協定」締結に向けた両市の取り組みなどに焦点を当てます。
・まちの中心にある「メインスクエア」は、にぎわいのシンボルとして多くの市民に親しまれる
・自分たちのまちに誇りを持った市民一人一人が、クラン市の文化や芸術を支えている
●クラン市って?
中央ヨーロッパに位置し、アルプス山脈など豊かな自然が特徴のスロベニア共和国。クラン市は、首都リュブリャナから西に約25km離れた場所に位置し、国内3番目の人口を持つ。リュブリャナ空港から約6kmと、交通の便も非常に良い。
▽クラン市
面積:151平方キロメートル(福井市の約28%)
人口:5万7130人(福井市の約22%)
▽福井市
面積:536.4平方キロメートル
人口:25万6613人
●姉妹・友好都市協定って?
国内や海外の都市と、さまざまな分野で交流・協力を行っていくために結ぶ協定のこと。特に、文化や言語が異なる海外の人たちと交流を深めることで、日本国内では得られない情報やスキルなどを共有することができ、自治体としての成長につながるとともに、地元福井の魅力や良さを再発見するきっかけになる。
※現在、福井市では国内2都市、海外4都市と姉妹・友好都市協定を結んでいる。
■(1)これまでの交流の軌跡
これまで、主に教育分野での交流・連携を重ねてきている福井市とクラン市。
令和4年には、鷹巣中学校や大安寺小学校などの生徒と、クラン市の小中学生による「お手紙プロジェクト」を実施。互いに、自分のまちの文化や歴史などの魅力を記した手紙を交換し、語学力の向上を図ると共に、異文化への理解を深めました。
今年4月、クラン市長らが福井市を訪れた際には、明道中学校の生徒との交流が行われたほか、4月と6月には、福井商業高校の生徒とクラン市の高校生によるオンライン交流会が開催され、両市の魅力や、両学校の共通点・相違点などをテーマに交流が行われました。
・明道中学校の生徒とクラン市長らの交流では、生徒たちによる学校紹介や校歌合唱も行われ、終始笑顔にあふれる交流となった
・(上)(右)画面に映るクラン市の高校生に笑顔で手を振り、交流を深める福井商業高校の生徒たち
■(2)さまざまな「最先端」を誇るクラン市
▽1「環境問題」への取り組み
令和3年、スロベニア共和国の「最優秀e-モビリティ都市」に選出。電気自動車や電気バスなど、環境にやさしい交通手段の導入率が国内で最も高い都市として認められています。
▽2「デジタル化」への取り組み
自転車シェアリングやレンタカーなどの予約、駐車場や公共バス、飲食店や映画館などの支払いにも利用できる「スマートシティカード」を導入。さまざまなサービスの予約・支払いを一元化しました。
⇒日本にはない技術や、EU(欧州連合)圏内でも最先端の取り組みを推進するクラン市との連携や協力を深めることで、その知見やノウハウを吸収し、今後の福井市の発展に生かすことも可能に!
■7/3、姉妹都市協定の締結に向け、大きく前進しました!
7/1~3にかけ、クラン市内各所を訪問し、教育をはじめ観光や経済、文化芸術、環境などさまざまな分野におけるクラン市の実情を調査しました。
中でも、EU圏内で高い評価を受けている環境問題やDXへの先進的な取り組みと、スポーツや音楽、芸術などの文化を大切にしている姿勢が素晴らしいと感じました。
3日間の調査の結果、参考となる取り組みが非常に多く、教育や文化、産業など、幅広い分野での交流が両市の発展につながると判断しました。
福井市議会代表の皆さんの立ち会いのもと、クラン市との間で「姉妹都市提携に関する意向表明書」に署名を行いました。
福井市長 西行茂
問合せ:総合政策課
【電話】20-5283【FAX】20-5768
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