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間部家をたずねて 間部詮勝藩主就任210年記念特集

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福井県鯖江市

間部家をご存じですか?江戸時代の1720年にできた鯖江藩を9代150年に渡って治めた「鯖江のお殿様」です。
今年は7代藩主・間部詮勝(1804~1884)の藩主就任から210年。節目の年を記念して、お殿様が歩いた城下町を体感できる特集を組みました。ナビゲーターを務めるのは惜陰小学校の皆さん!

■間部家の歩み
本紙2ページの地図は鯖江藩城下絵図です。誠照寺(じょうしょうじ)の門前町だった一帯に、城を持たない藩主の拠点「陣屋(じんや)」が置かれ、まちは城下町として発展しました。
間部家のはじまりは詮言(あきとき)の兄である詮房(あきふさ)にさかのぼります。能役者の子として見いだされた詮房は、6・7代将軍のもとで大出世しましたが、8代将軍・徳川吉宗に高崎藩(群馬県)から村上藩(新潟県)への領知替えを命じられ、間もなく病気で亡くなりました。
詮房の跡を継いだ詮言はさらなる領知替え(左遷)を命じられ、初代の鯖江藩主となったのです。以降、城下町の建設に全力を注いだ2代・詮方(あきみち)や嚮陽渓(きょうようけい)(後の西山公園)の開発などを進めた7代・詮勝(あきかつ)らを経て、9代・詮道(あきみち)の時代に廃藩置県(1871年)を迎えました。

間部詮房(あきふさ)
〔初代〕詮言(あきとき)…鯖江に入る直前に病死
〔2代〕詮方(あきみち)…城下町の建設に尽力
〔3代〕詮央(あきなか)…財政改革に尽力
〔4代〕詮茂(あきとお)…大飢餓のなか救済に奔走
〔5代〕詮熈(あきひろ)…学問を好み、文武を推奨
〔6代〕詮允(あきざね)…藩士の教育に尽力
〔7代〕詮勝(あきかつ)…2度も幕府老中に登用
〔8代〕詮実(あきざね)…治世1年あまりで病死
〔9代〕詮道(あきみち)…戊辰戦争に出兵

■萬慶寺(ばんけいじ)
深江町にある曹洞宗の寺院で、間部家の菩提寺。書画を得意とした7代藩主・間部詮勝が弘化(こうか)3年(1846年)に寄附した本堂の天井絵は有名。山門とともに市の文化財に指定されています。

〔副住職 久我尋孝(ひろたか)さん〕
今年の干支にちなんで、龍神などの天井絵を見学に来られる参拝者が増えました。春までに1,000人ほどがいらっしゃいましたが、今までにないほどですね。
詮勝が描いた風神や雷神は自然をつかさどる存在です。当時の世は天保の大飢饉に見舞われていました。そこで詮勝は領民たちの暮らしに目を向け、「作物がとれるように」との願いを込めてこの絵を描いたのではないかと思います。領民のことを第一に考えていた詮勝の偉大さを感じますし、江戸幕府の老中に抜擢されるほどの秀逸な人物であるのもうなずけますね。お寺にはいつでもお越しください。

■嚮陽渓(きょうようけい)
1856年、領民たちとの憩いの場となるよう間部詮勝が造成した大規模庭園。嚮陽は「陽に向(嚮)かう」を意味しています。嚮陽公園と名前が変わった後、1914年に「西山公園」へと改称。

〔武生高校3年 小野未和さん〕
今年のつつじまつりの時、高校の探究活動の一環で「山うにおにぎり」の試食会をしました。多くの人でにぎわう西山公園で、楽しいひと時を過ごしました。
私は鯖江出身です。小さい頃から慣れ親しんだ西山公園は、歴史と自然があふれる自慢の観光スポットですね。

■幻の鯖江城
城を持つことが許されなかった鯖江藩ですが、詮勝が幕府の要職である「西の丸老中」に昇進したことで城主格に。幕府から築城準備金5000両を賜って、西山公園の展望台付近を築城予定地に定めたものの、財政難などを理由に幻に終わりました。

■城下町をたずねて
◇亀屋萬年堂菓舗
3代目店主 桑原栄さん
間部家の家紋のデザインを焼き印にしたお饅頭を創業当時から販売しています。黒砂糖の甘みがやさしい昔ながらの味です。

◇御菓子司 大黒屋
社長 小石川浩司さん
主力商品の「菜花糖(さいかとう)」は鯖江藩主に代々愛された逸品です。食べた時に春の情景が浮かぶように丁寧に作っています。

◇昭和堂
店主 鎌形淳一さん
五万石はお殿様にちなんで刀のつばをイメージしています。老中もなかも祖父の代からあるロングセラー商品ですね。

◇茶癒 SaYu 中松
店員 中嶋楓(ふう)さん
カフェから見える松阜神社がおすすめです。春は境内の新緑、秋は大イチョウなど四季折々の表情を楽しめます。私は惜陰小学校出身で、松阜神社には今もよく通っていますよ。

◇創業慶応三年 三笑園 石川茶舗
店主 石川タニさん
かつてはお殿様がうちでよく一休みされていたそうです。うちの一番の宝は詮勝公が命名してくださったお茶「御代治」(みよのはる)と詮勝公による書です。複製を店に飾っており、店の看板と共に守られてきました。

■ココにも注目!
◇第8回さばえ狂歌作品コンクール
『泰平の眠りを覚ます上喜撰 たった四杯で夜も寝られず』
黒船来航の際に詮勝が詠んだという狂歌にちなみ、鯖江地区まちづくり応援団が今年も狂歌を募集中です。
作品の応募期間:~9月8日(日)
詳しくは本紙の二次元コードから(市ホームページ)

◇キャラクターデザインと愛称
今年4月から6月にかけて間部家PRのためのキャラクターと愛称を募集し、たくさんの応募がありました。
決定したキャラクターと愛称は「まちなか芸術祭」(下記)で発表!

◇まちなか芸術祭2024
間部詮勝の藩主就任210年を記念した参加型芸術祭を開催。詮勝が拓いた西山公園を舞台に、皆さんから出品された力作を展示します。
期間:9月14日(土)~10日6日(日)
詳細:市ホームページで

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