◇合理的配慮の具体例
同じ障がいでも、必要な配慮は個人によって違います。また、困りごとの解決方法も、ひとつではありません。話し合うことで、いい方法をみつけていきましょう。
(参考)「合理的配慮の提供等事例集」(内閣府)
・飲食店で車椅子のまま着席したい。
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備え付けの椅子を片付けて車椅子のまま着席できるスペースを確保した
・難聴のため筆談を希望したが弱視のため細いペンや小さい文字では読みづらい。
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太いペンで大きな文字を書いて筆談を行った。
・文字の読み書きに時間がかかるため、会議の板書を最後まで書き写すことができない。
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書き写す代わりに板書をスマートフォンなどで撮影できるようにした。
・待合室など人の多い場所では、気分が不安定になったり、じっとしていられなくなってしまう。
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順番が来るまで別室で待ってもらい、順番が来たら職員が呼びに行った。
・データで受け取った書類がPDF形式のため、画像として情報認識され、読み上げソフトを使用することができない。
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テキスト情報が残るように、形式変換したものを送信した。
・弱視難聴があり、スポーツ大会でスタート合図が分かりにくい。
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スタート合図者の一番近くのレーンにし、スタート合図はピストル音と光の両方を使って行った。
・半身麻痺はあるが、フォークを使い一人で食事ができる。しかし、皿を支えることができずに皿が動いてしまい、食べにくい。
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滑りにくい素材のマットがあったので、敷いて皿が動かないようにした。
・弱視のため、階段の段差が分かりにくく不安である。
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階段の縁に目立つ色の滑り止めを設置し、段差を認識しやすいようにした。
・知的障がいがあり、文書を理解することが難しい。簡易な言葉の使用、ルビを振るなどの対応をしてほしい。
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文書にルビを付けて、難しい部分は電話で直接説明した。
《こんなときはどうなるの?Q and A》
Q.飲食店での食事介助や温泉施設での入浴介助など、身体介護に当たる行為を求める申出があった場合には、お断りすると合理的配慮の不提供となるのでしょうか。
A.身体介護に当たる行為は、それを事務・事業の一環として行っている場合を除き、お断りしても合理的配慮の不提供には当たりません。
Q.店舗入口にスロープを設置していないのですが、合理的配慮の不提供となるのでしょうか。
A.スロープが設置されていなくても、合理的配慮の不提供には当たりません。
しかし、別の入口を案内する、職員が支援するなど、スロープ以外の方法で障がいのある人が入店できるよう検討しましょう。また、恒常的に障がいのある人の対応に支障をきたしているのであれば、施設改修などの環境整備に努めてください。
まずは何ができるか考えてみることがたいせつです
○「?」と思ったときは
県に専門の相談窓口がありますので、ご利用ください。
福岡県障がい福祉課 障がい者差別解消専門窓口
【電話】643-3143
【E-mail】sabetsukaisyo@pref.fukuoka.lg.jp
*専門相談員の派遣制度もあります。
問合せ:福祉課
【電話】692-1078
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