-花売処 かすみ庵-
代表 石橋(いしばし)あゆみさん(山隈)
2年前に山隈にオープンした「かすみ庵」。お客さんに花を通じて笑顔を届ける石橋さんに、オープンした理由やこだわりをお聞きしました。
■開業までの道のり
両親が兼業農家として畑を営んでいたことに影響を受け、高校卒業後は大分県にある短期大学の園芸科へ進学。その後、農業関係の会社や呉服店などの会社で働きました。祖母の影響で幼いころから花が好きだったことや、仕事を通じて野菜や果樹、花などのさまざまな植物に携わってきた経験から、「花」に特に魅力を感じ、何か挑戦できないかと模索していました。そんな時に、両親から家の土地を活用できないかと相談を受け、花屋をオープンし大刀洗町を花で溢れる町にしたいと思いました。
そこでより深く花について学ぶため、イタリアのフィレンツェにある花屋へ留学。花で溢れるフィレンツェの街並みを目にした時の感動は今でも忘れられず、町に花を広めたい思いがより一層強くなりました。留学では、さまざまな花と出会い、種類や色見などの個性を活かし、どのようにして花束などで表現するかなどを学びました。
そして帰国後は、久留米市内の花屋で経営者としてのノウハウを2年間学び、令和4年4月に「かすみ庵」を開業しました。
■お店のこだわり
店が町に馴染むように、店先を日本庭園風にしたり、店内に畳を敷いたりして「和」をコンセプトにした作りにしています。かすみ草のように小さな店でも、たくさんの方に足を運んでいただけるように願いを込めて「かすみ庵」という屋号を付けました。町内外の若い方から高齢の方までさまざまな世代のお客様に自宅用や記念日などのライフイベントなどで来店いただいています。お客様の大切な思い出に、花を通じて私も携われることにとてもやりがいを感じています。
現在は一人でお店を経営していますが、お客様との会話を特に大切にし、また商工会の青年部員として町の方との交流も積極的に行っています。スーパーなどでは販売していないような花を数多く取り揃え、お客様の好きなキャラクターや求めているイメージを花で表現することを得意としています。また、少しでも長く愛してもらえるように、自宅に持ち帰った際に店との温度差を減らすために、あえて店内では自宅の室温と同じ環境になるよう管理していることもこだわりの一つです。
■花の魅力とこれから
散歩をしながら、町中に咲いている花もつい見てしまうくらい花が好きな私は、季節に合わせて移ろう花の色彩とともに町の色が変わっていくところに魅力を感じています。幼いころに祖母と一緒に初めて育てた「ポーチュラカ」は好きな花の一つです。これから一人でも多くの方に花に興味を持ってもらえるように、イベントなどの開催に挑戦してみたいです。そして私の地元であるこの町を花でいっぱいにしていきたいです。
■最後に
趣味は読書やお酒を楽しむことと話していた石橋さん。町の花屋さんとして店のつくりやお客様との関わり方にこだわる姿から、お花への愛がとても伝わる取材でした。
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